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ショートスクイーズで最も心配すべきこと:レイ・ダリオ

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、GameStop株などで起こったショート・スクイーズについて最も心配すべき点を語っている。


昔の自分を思い出すよ。
投資を始めた若いころ、私は反抗的で、自分のやりたいようにやり、打ち負かした。

ダリオ氏がワシントン・ポストのインタビューで、GameStop株などで起こったショート・スクイーズについて解説を求められた。
ヘッジファンド等プロがショートを仕掛けていた銘柄で、SNSで示し合わせた個人投資家が買いを仕掛けた。
結果、先がないと見られていた企業の株が高騰し、ショートしていたプロが莫大な損失を被った。
これがメディアで《個人投資家のウォール街に対する反乱》といったニュアンスで報じられている。

ダリオ氏は、あまり例のないことを引き起こした買い方に対してやや好意的だ。

彼らは市場の力学を用いてショート・スクイーズを起こした。
『反乱』とは、破壊的でなく、敵対的でないのなら、進歩の過程の一部なんだ。
もちろん、流動性・情報・法律についての疑惑は提起されよう。
彼らは市場の力学を理解し始め、スクイーズされた側も力学を理解し始めた。

法やルールの話は(じきに片が付くはずだから)ここでは大目に見ておこう。
ダリオ氏は「反乱」が前向きなものになりうる条件として
・破壊的でない
・敵対的でない
ことと述べている。
今回の「反乱」これに当てはまるものだろうか。

今回の「反乱」は破壊的なものだったろう。
このショート・スクイーズについてアスワス・ダモダラン教授は、売り方に大損させる以外に意義が見出しにくいと指摘する。
構造問題を抱える赤字企業の株の値を吊り上げることに資本市場としての意義はない。
仕手筋が売り方を損させ、高い株を他の買い方に押し付けるだけの行為であり、まさに「破壊的」というにふさわしい。

では「敵対的」であったろうか。
これも当てはまりそうだ。
ダリオ氏は書いている。

私がもっと心配するのは、一般的な怒り、ほとんど憎しみ、そして国のほとんどあらゆるところで現在見られている人々を打ち負かそうという考えだ。・・・
一般に互いに傷つけようとする願望、直面し解決する必要があるが解決が容易ではない課題こそ、もっと概して私が心配することだ。

反乱は破壊的で敵対的だった。
ならば今回の「反乱」は「進歩の過程」だとは言いがたい。
それなのに今回、反乱分子への同情も多い。
その背景には、売り方のやり口への反感もあるのだろう。
人は法やルールさえ守れば何をやってもいいというわけではないはずだ。
そうした思いに照らして、浮動株の少ない銘柄をショートで崩そうというプロに反感が募っていたのだろう。


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