ローレンス・サマーズ

サマーズ:トランプの税制改革は底辺への競争

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ローレンス・サマーズ元財務長官(現ハーバード大学教授)が、トランプ政権・共和党の税制改革案にダメ出ししている。
反トランプの一環にすぎないと聞き流せばいいことか、それとも税制改革には期待できないということなのか。


「純粋な税制改革というのは制度を簡素化し設備等への投資を促すものだ。
持続的な形で海外からの莫大なキャッシュ回収を促進する。
それなら経済に意味のある恩恵をもたらすことができる。」

クリントン政権で財務長官を務めたサマーズ氏がBloombergで税制改革の原則について信念を述べた。
トランプ大統領にとって税制改革とは減税、とりわけ法人減税であるようだ。
共和党にとっての税制改革とは法人減税と税のしくみの簡素化・合理化であるように見える。

サマーズ氏によれば、トランプ政権と共和党の税制改革案では国内での企業活動を促進するか疑問だと言う。

「グローバル・ミニマム税なき源泉地国課税を重点にするなど、いくつかの提案には、主に企業に米国内ではなく国外での事業活動を促すリスクがある。
本当の税制改革とは、移転価格をはぎ取り、企業が海外、特にタックス・ヘイブンで利益を計上することで税負担を避けるようなことをさせないことだ。
それこそ貿易相手国と協力し、逃れようとする企業が次から次へと逃げ回れないようにすべきだ。」


サマーズ氏は、米企業に払うべきものを払えと言っている。
大統領が目指す法人税率15%やレパトリ減税は、姑息な節税に血道を上げる企業に対して《恩赦を与えるから戻って来い》と言うようなものだ。

米国は底辺への競争に乗ってしまっている。
正しいことは、ルールを変えることだ。

かつて米国は、良くも悪くも自由貿易の旗手として貿易相手国にフェアなルールを求めてきた。
それが国際ルールに則ったものか、合理的な解決を生んだかは別として、理念としては理解できる点があった。
今、米国が目指すべきは、安い税金で企業を誘致する姑息な国をまねて、自国までその仲間入りをすることなのか。
かつてのように、底辺にいて恩恵をむさぼる国・地域に対し、フェアな税制を求めるべきではないか。
タックス・ヘイブンを利用する米企業にペナルティを与えることではないか。

サマーズ氏は、大統領が「底辺の競争で勝とうとしている」と危ぶむ。
米国が底辺に落ちていく。
プロ・ビジネスの政権の落とし穴だ。

キャスターは米経済が3%成長している点を挙げ、悪くないとサマーズ氏に問うた。
しかし、サマーズ氏の見方は、トランプ政権がまだ何もやっていないというものだ。

「誰でも知っていることだが、政策決定とGDPの数字には半年から1年の遅れがある。」

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