ローレンス・サマーズ
 

サマーズ氏発言の捉え方

NHK「日銀黒田総裁『中央銀行は万能ではない』」

NHKは黒田総裁の発言をクローズ・アップしている。


「中央銀行が万能ではないことも事実だ」

こんな当たり前のことをなぜ日銀総裁が言ったのか。
なぜ国営放送が報じたのか。

開いてみれば2年どころか3年半たっても十分な結果を得られていない異次元緩和。
その政策へ突入する過程で、リフレ派がアピールしてきた金融政策万能説が記憶の中にあるからだろう。
安倍首相は盛んに「デフレは貨幣現象だ」と強弁した。
貨幣現象ならば実体経済とは関係なく金融政策で解決できるはずだったが、当然のことにそうはならなかった。

黒田総裁はもちろん最初から金融政策を万能とは考えていなかったはずだ。
実際、黒田総裁が安倍首相に対し財政再建の重要性を説く時期もあった。
ただ、基本的には万能説を否定はしなかった。
金融市場にインフレ期待を植えつけたいがためだろう。
その見え見えの芝居を終える時がやってきたのだ。


読売「日銀政策に苦言『財政拡大許す』」

読売のトーンは独特だ。
財政再建派のこの新聞は、サマーズ氏が「『金融政策と財政政策の連携は、中央銀行が政府の財政拡大を許すことになる』と述べ、苦言を呈した」と報じている。
他のメディアとは財政政策の捉え方が異なる。
読売はどうやら財政従属を懸念しているようだ。

「サマーズ氏は、日銀が10年物国債の流通利回り(長期金利)を金融政策の目標とする点に関し、『政府の長期の借金を増やすことにもつながりかねない』と指摘した。」

物事にはブライト・サイドとダーク・サイドがある。
各社報道はあらためてそのことを教えてくれた。


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