ブラックロック
 

サイクル終期にグロースが強いワケ:ブラックロック

資産運用の世界最大手ブラックロックのラス・ケストリッチ氏が、景気サイクル終期のファクター投資について解説している。
サイクル終期にグロースが好まれる理由を端的に述べている。


グロースが近年アウトパフォームしているのはポスト危機時代のノルムである。
株価リターンに注目すると、2010年以降グロースはバリューを平均年350 bp上回っている。

ケストリッチ氏が自社ブログで米国株市場におけるリーマン危機後のグロースのアウトパフォーマンスを紹介している。
同氏によれば、この差は有意なだけでなく持続的だという。
過去5年を見ても、バリューが優位にアウトパフォームしたのは2016年だけだったと指摘した。
さまざまなリスクに市場が揺れる今でもグロースの優勢が続いている。
Russell 1000グロース指数と同バリュー指数の差は年初来でも過去12か月でも、グロースが約450 bpsアウトパフォームしているという。

ケストリッチ氏によれば、グロースの勝利は利益成長とバリュエーションの両方で起こっているという。
だからといって、グロースを割高とするのは早計だ。
グロースが割高というよりはバリューが極めて割安に据え置かれているというべきなのだとう。


ケストリッチ氏はグロースのバリューに対する差は経済環境で説明できるという。;

景気回復が進み、投資家が経済成長に心配し始めると、グロースを好むようになる。
理由: 経済が弱くても、グロース企業は有機的利益成長を生み出せるからだ。

つまり、景気サイクル終期に差し掛かるとグロースへの選好が顕著になるというのだ。
サイクル終期といえば、今市場が心配しているイールド・カーブの長短逆転が起こる。
イールド・カーブ逆転は、投資家が先行きの経済を悲観的に見ていることの1つの表れだ。
カーブがフラット化し、逆転すると、投資家は景気後退を覚悟し始め、収益力に長けたグロース銘柄を好むようになる。
この時期はまた、株式市場が最後のひと上げを演じる時期でもある。

ケストリッチ氏は米10年-2年スプレッドとグロース/バリューのPER比の関係を説明している。
スプレッドが100 bpを切るようになると(つまりイールド・カーブがそれぐらいフラットになると)グロースの選好が始まるのだという。
カーブが完全にフラットになったところで、グロースの(PERにおける)優勢が急激に高まると図示している。

投資家が世界経済の鈍化に身構えている限り、経済に関係なく利益成長を実現できる数少ない企業にプレミアムを与え続けるのだろう。


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