ゴールドマン・サックス

ゴールドマン:バフェットのバリュー投資に限界か?

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ゴールドマン・サックスが、ベンジャミン・グレアムやウォーレン・バフェットが説いてきたバリュー投資の有効性に疑問を呈している。
景気サイクルにおける段階によっては、よからぬ結果をもたらす可能性があるのだという。


「(過去うまくいっていたのにうまくいかなくなった)断絶が、投資家にバリュー投資の将来性への疑問を抱かせている。
バリュー投資は学術論文によって支持され、ベンジャミン・グレアムやウォーレン・バフェットなど投資家に信奉されてきた。」

ゴールドマンのストラテジストBen Snider氏のレポート『バリューの死』の一節をCNBCが紹介している。
バフェット好きな米金融メディアはこのレポートをこぞって伝えている。

2013年、3ファクター・モデルでノーベル経済学賞を受賞したユージン・ファーマとケネス・フレンチは、その実証研究の中でバリュー株効果を証明したとされる。
しかし、この研究には賛否両論あるのも事実だ。
多くの支持とともに、多くの反論も呈されている。
(参考: 小型株効果と上場廃止バイアス

今回ゴールドマンが発見したのは期間による「断絶」だ。
1940-2007年でみれば有効だったバリュー株効果が、近年で見れば効果どころかマイナス・リターンになってしまうのだという。
ゴールドマンはこの結果を次のように解釈している。


「バリュー投資は歴史的に、景気サイクル初期、経済成長が強い期間に最もよいリターンを上げてきた。
この要因は、サイクルの終わり、経済成長が鈍化して投資家が趨勢的なグロース銘柄のチャンスを探すようになるにつれ低下する。
近年の『趨勢的停滞』懸念が、投資家をグロース銘柄探しに駆り立てている。」

そういえば、同じゴールドマンのDavid Kostin氏もテクノロジー分野のグロース銘柄を物色しろと言っていた。

ゴールドマンの観察は、極めて長期間を扱う学術論文にダメを出そうというものではなさそうだ。
そうではなく、バリュー株効果は景気サイクルの段階によって有効であったり有害であったりするということなのだろう。
スナイダー氏によれば

「将来のリターンは歴史的平均より低くなろうが、バリュー投資はよい長期ストラテジーであり続けるだろう。
行動ファイナンスは、将来の投資の期待リターンが減少する環境であっても、いくらかのバリュー・プレミアムは持続すると示唆している。」

という。
とは言え、投資家は敏感だ。
バリュー投資のリターンが下がれば、そうしたアクティブ運用からパッシブ運用・計量モデル・スマートβ運用に資金を移してしまう。
新債券王ジェフリー・ガンドラック氏から見れば、後者3つも実はアクティブ運用だということになるのかもしれない。
しかし、あえて言おう。
アクティブ運用苦難の時は続く。

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