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コンセンサスの生まれ方:シーゲルvsエラリアン
2020年1月15日

ウォートン校のラジオ番組で、モハメド・エラリアン氏にジェレミー・シーゲル教授がインタビューしていたが、これがどうにもエコノミストたちがコンセンサスを形成する過程のように見え興味深かった。


ホストのシーゲル教授はもちろんウォートンの教授だ。
エラリアン氏も最近ウォートンで講義をしている。
この2人のやり取りから一部をエッセンスにして対話形式で紹介しよう。

(シーゲル教授)
私が・・・しばしば言ってきたのは、大きな金利低下、マイナス金利発生の主因は中央銀行の政策ではなくファンダメンタルズ、人口動態的要因というものだ。

(エラリアン氏)
構造的な問題が・・・いわゆる中立金利を押し下げたとする点には同意する。・・・
それに加えて、選択の余地なく必要とされた政策が効いている。・・・
中央銀行は政治的に中立であるがゆえに、マクロ経済の助けになることは何でもやろうとする。
たとえ、それが政策手段として一番良いものでないとわかっていてもだ。
・・・また、中央銀行の超行動主義の一因は、他の政策決定者の不作為にもある。

(シーゲル教授)
経済学者が言っているのは、中央銀行には基本的な経済の問題を解決したり、成長に拍車をかけたりはできないということ。
やれるのは基本的に金融市場を安定させ、インフレを予防することだ。
あまりにも多くを求めすぎているのではないか。

(エラリアン氏)
あの時(2010年)が非伝統的(金融)政策を、市場の正常化という成功した目的でなくマクロ経済の目的のために使い出した転換点だった。
ベン・バーナンキFRB議長(当時)は当時それが恩恵とリスクのコストの話だと言った。
非伝統的政策を長く用いれば用いるほど、コストが恩恵を上回っていくと警告した。

(シーゲル教授)
日本が最初に(低金利の世界に)入り込んだ。
・・・日銀が間違えてそうなったとか、私たちは理屈をつけてきた。・・・
みんな(日・欧・米)が低金利の世界に落ちている。
どうやったら抜け出せるのか。

(エラリアン氏)
私たちのコミュニティが、この問題を構造的なものと理解した時には、単なる低成長ではなく十分な包括性のない成長となっており、他の様々な問題をともなっていた。
それに対する政治的な対処の可能性は閉じられてしまっていた。


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