投資 企業

アスワス・ダモダラン コロナショックでウーバーに起こること:アスワス・ダモダラン
2020年6月28日

アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、ドットコム・バブルで起きたことを振り返り、コロナ・ショックでウーバーやリフトなど配車サービス業界に起こることを予想している。


毎回何か新しいことに出会う度に、私は基本に戻る。
驚くほど基本には、私が必要とする要件、私が直面する状況の解決につながることが含まれている。
それでも危機はルツボのようなもので、私の信念を試し、私の哲学を試しにくる。
そして、新たなことを教えてくれる。

ダモダラン教授がBarron’sで、ファンダメンタルズ投資における基本の重要さ、危機からの学びについて語っている。
教授が基本というのは「キャッシュフロー、成長、リスク」だという。
財務諸表から定常的・一時的なキャッシュフローを分析し、成長率を想定し将来キャッシュフローを計算し、それを適切なリスクを反映した割引率で割り戻すプロセスのことだろう。

ダモダラン教授は、ウーバー株について尋ねられている。
教授は、上場のはるか前2014年から株価評価を始めている。
当初からダモダラン教授はウーバーに対し懐疑的だった。
その年にはあるベンチャー・キャピタリストから株価評価について批判を受けている。
結果、教授は市場浸透の想定を誤ったことを認め、自身のブログで誤りを認めることとなった。
教授はそれ以降も毎年ウーバー株の評価を行ってきた。

ダモダラン教授が懐疑的だったのにはいくつか理由があった。

  • 売上成長は見込めるが、利益が上がる事業モデルでない。
  • 車を所有せず、ドライバーを雇わず、参入障壁がほぼ存在しない。

ウーバーで困ったのは、長い間ウーバーの中の誰も適切な事業モデルを構築すると話さないことだ。
彼らが言うのは成長、また成長だけ。
2019年ウーバーの歴史で初めて(新CEO)ダラ・コスロシャヒが、儲け方を考えないといけない、と話した。

つまり、上記2点のうち、1つめの課題に変化が訪れたのだ。
IPO価格は45ドル、初値は42ドル、ダモダラン教授の評価額は28-30ドルだった。
教授は10月に28ドルでウーバー株を買ったと話している。

ウーバー株価
ウーバー株価

ダモダラン教授はコロナ・ショックによる下げの中でも、ウーバー株を14ドルで買ったという。

確かに、課題のうちの1つには変化があったのかもしれない。
しかし、もう1つ、参入障壁の問題はどうなのか。
ダモダラン教授は、自らが「マフィア・ソリューション」と呼ぶ変化が起こっているという。
ウーバーとリフトの2社による寡占が進むことで新規参入が難しくなった。
さらに、両社の間では暗黙の棲み分けが起こっているという。
教授はこのマフィア・ソリューションを、利用者にとっては好ましくないが、株主にとっては好ましい方向と評している。

ダモダラン教授は、これもまた過去の危機が教えてくれたシナリオだという。

ドットコム・バブル崩壊は、Amazonの競合相手をすべて消し去った。
零細小売店はオンライン販売に後ろ向きになり、市場全体がAmazonのものになった。・・・
今回の危機でも同じことが起こると予想している。
ウーバーやリフトに現れる新たな競合は、コロナ・ショックで打ち砕かれるだろう。


-投資, 企業
-, ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。