海外経済 投資

コモディティ・サイクルの第5段階が終わった:ブリッジウォーター

ブリッジウォーター・アソシエイツが、コモディティのサイクルについて解説しているので、参考までに紹介しよう。


工業用コモディティでは、生産者にとって低価格・低収益性の困難な時期が長く続いてきた。
この困難な時期のタネはその10年前、2000年代半ばの中国コモディティ・ブームを絶頂とするとても高収益な時期にまかれたものだ。
高収益が高水準の投資を呼び、最終的に供給過剰となり、価格が低下し、利益が縮小し、投資が減った。

ブリッジウォーターが自社のサイトで、コモディティのサイクルについて解説している。

これは何もコモディティに限ったサイクルではない。
普遍的な設備投資サイクルをコモディティの場合に当てはめたものだ。

ブリッジウォーターは、コモディティのサイクルを5つの段階に分けている:

第1段階
コモディティ集約的な経済成長で需要が供給を上回り、コモディティ価格が上昇。

第2段階
価格上昇で生産者の利益率が改善し、生産設備への投資が行われる。
投資ブームとなり、経済成長とインフレを下支えする。

第3段階
成長鈍化・代替品・効率向上による需要鈍化と供給力増強で需給が緩み、サイクルが転換。

第4段階
供給力に余剰が生じる。

第5段階
価格が下落し、生産者は供給能力の削減を行う。
最終的には需給が均衡に向かう。

もちろん読者の興味は、現在がどの段階にあるかだろう。
これはかなり自明に近いかもしれない。
ブリッジウォーターの考えも至極常識的なものだ。

工業用コモディティは2020年に第5段階を終えたと考えている。
実際、パンデミック初期の極度の不確実性とそれによる極度の価格の混乱で、最近のサイクルの第5段階が大詰めを迎えたのだ。・・・
新たな供給力が稼働するには時間がかかるため、短期的な供給能力の増加が弱くなるのは『確定的』だ。

昨年、瞬間的とはいえ原油先物価格がマイナスになったのは記憶に新しい。
そこまで極端でなくとも、多くのコモディティで不確実性が高まり、生産者が生産設備への投資を躊躇したのは想像に難くない。
それが第5段階を終わらせ、現在が第1段階ならば、コモディティ価格は上昇することになる。
(実際上昇している。)
しかも、供給能力の増強が実現するまでには少々時間がかかる。

このテーマはインフレに関連している。
それでいて、金融・財政政策とは直接関係していない。
そして、結論はレイ・ダリオ氏の主張「現金はゴミだ」と方向を同じくしている。
説得力のある話ではあるが、丸のみにすべきではないかもしれない。


-海外経済, 投資
-,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。