ケネス・ロゴフ:政治家がリフレを好むワケ

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Kenneth Rogoffハーバード大学教授が、政治家がリフレ政策を望む理由を説明した。
この理由から、次期FRB議長の最有力候補はイエレン現議長であると語った。


「インフレが上昇すると、多くの長期的なマイナスの問題が起こる。
しかし、短期的には誰も気づかない。
みんな賃金が上昇した、GDPが上向いたと思い込む。」

ロゴフ教授はMoney Controlでポピュリスト政治家の胸の内を見透かすように指摘した。
消費者物価がなかなか上がらない経済環境の中、2%目標に向けて金融緩和のアクセルを踏めば、わずかな賃金上昇・インフレ・GDP成長が喚起できるかもしれない。
しかし、長期的には深刻な問題を引き起こすかもしれない。
長期的な悪材料は今は認識されにくいため、ポピュリスト政治家は金融緩和のアクセルを踏ませたがる。

ロゴフ教授は、FRBが難しいさじ加減を求められていると言う。
仮にインフレ傾向が弱まるなら、引き締めペースを緩めるだろうと言う。

「世界中で労働への分配が低下し賃金が大きな下落圧力を受けるという信じがたい状況にある。
賃金に下落圧力が加わると、インフレ上昇圧力は望みにくい。
それが続けばいつかは反転する。」

ロゴフ教授は、FRBがインフレ懸念を喧伝すべきでないと言う。
一方で、今の引き締めペースが間違っているわけでもないと言う。
引き締めの効果が本格的に現れるのは、あと数回利上げを行った後になると考えているからだ。
教授は、現状レベルのFRBの利上げが経済をオーバー・キルするとは見ていない。

FRBにとっての重要課題は引き締めだけではない。
次期議長人事も重大事だ。
ロゴフ教授は五分五分とは言わないものの、最有力候補が他ならぬイエレン議長だと言う。
トランプ大統領は選挙中FRBの超金融緩和を繰り返し批判してきた。
ところが、就任後はFRBの金融政策に擦り寄る気配を見せている。
一方のイエレン議長は最近、再任を想定していないと示唆する発言をしたばかりだ。

「ジャネット・イエレンはトランプが好きなことを象徴している。
イエレン議長は雇用と成長をとても気にかける。
(この点)議長ほど優秀な人物はいないだろう。
また、継続性も保たれる。」

ロゴフ教授は、トランプ大統領が今や低金利を求めていると読む。
それが、イエレン再任の可能性を高めている。

「(トランプ大統領は)2020年の大統領選が近づくにつれ、短期的な面を重視するようになるだろう。
ジャネット・イエレンはトランプにとってとてもいい選択に見える。」