ケネス・ロゴフ:『今回は違う』とは思わない

ハーバード大学Kenneth Rogoff教授が、世界の金融危機に対する備えが不足していると心配している。
イタリア、日本、新興国市場の一部を名指しして、リスクに備えるよう説いている。


再び金融危機が起これば(各国中央銀行には)プランAさえ存在しない。

ロゴフ教授がダボス会議の聴衆にこう語ったとCNBCが伝えている。
金融危機が迫っているとは考えないとしながらも、教授は各国の手薄な備えに不満を抱いている。

「私は『今回は違う』とは思わない。
私たちはまだ前回の金融危機を脱した時のままだ。」

『今回は違う』は、ロゴフ教授の有名な著書『国家は破綻する』の原題だ。
人々はいつも『今回は違う』と言いながら危ない橋を渡ろうとし、果たして橋から落ちてしまう。
国家の財政運営もまたその典型だ。
リーマン危機は100年に1度の危機を言われた。
ロゴフ教授は、こうした大きな危機から回復するのに10年を要したのはおかしなことではないという。
つまり、プランAを考え始めるのも緒についたばかりというわけだ。


「金融危機は起こりうるかって?
もちろんYesだ。
しかし、今はリーマン危機の最終局面にあり、極めて典型的な軌道を進んでいるところだ。」

ロゴフ教授は、現時点での世界経済の先行きについては楽観的な見方をしている。
しかし、だからと言って心配のタネがないわけではない。
リーマン危機後も居所を変えて積み上がる世界の債務である。

「債務が速いペースで拡大している時はよくよく注意すべきだ。
何かの拍子に金利が上昇する場合、それがもしもイタリア、日本、新興国市場の一部のように債務の多い場所だと、多くの問題が発生する。」

債務が拡大すること自体(他の条件が変わらなくとも)金利上昇要因となる。
金利が上昇すれば債務者の利払い負担が増え、過剰な債務を抱える経済主体は財務がさらに悪化する。
それは再び金利上昇要因となる。
こうしたロジックは他の資産クラスでもある程度共通のものだ。

「株価が崩壊するのは想像に難くない。
価格が成長だけでなく極めて低い金利の上に成り立っている。
美術品からビットコインまで、すべてがどう反応するのか想像がつかない。」


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