グレート・モデレーションは生きている:ゴールドマン・サックス

ゴールドマン・サックスが20世紀以降の米景気後退のケース・スタディーを行った。
それによると、景気後退を引き起こす要因が5つ抽出されたという。


「金融環境が引き締まり成長が鈍化するにつれ、投資家は最近数か月、景気後退リスクへの心配を深めている。
米史上ソフト・ランディングはとてもまれだから、表面上は理解できる。」

ゴールドマンのエコノミストJan Hatzius氏らがレポートで書いている。
そう、米市場ではソフト・ランディングがとてもまれなのだ。
長く上げては大きく急落する。
それでいて回復は早く、長い目で見ると上昇する。
それがこれまでの米国株市場だった。

米国株市場を急落させるのは米景気後退だ。
ゴールドマンは20世紀以降の米景気後退について調べ、その原因を類型化している。


  • 産業の危機と在庫の不均衡
  • 石油危機
  • インフレの過熱による金利急騰
  • 金融の不均衡と資産価格崩壊
  • 財政緊縮

ゴールドマンは、最初3つについて構造変化によりリスクが軽減されているという。
最初の2つについては同意できるだろうが、3つ目については疑問符がつきそうだ。
ゴールドマンはフィリップス曲線を議論しているが、インフレの原因には財政など他にもありうるからだ。

最後の2つについて、ゴールドマンは現状が良好としながらも、不測のリスク顕在化については可能性を認めている。

ゴールドマンは総じて楽観的だ。
ソフト・ランディングの見通しは改善していると判断している。
一方、市場の心理は悲観しすぎと見ている。

「2007年までの『グレート・モデレーション』の時代、多くのエコノミストは、様々な構造的・制度的変化が経済を本質的に景気後退しにくくしたと期待した。
この見方は危機とその後の深刻な不況によって大きな打撃を受けた。
しかし、私たちは多くのグレート・モデレーションの様相がまだ生き続けており、いくつかは強化されたと考えている。」

前回大外ししている話だけに眉に唾をつけて聞いておこう。
何しろグレート・モデレーションという状況や観念こそがサブプライム/リーマン危機を生む一因となったと言う人さえいるのだから。


 - その他 ,