グリーンスパン:1970年代のスタグフレーション再来か

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アラン・グリーンスパン元FRB議長が、政策に対して強い懸念を示している。
と言っても金融政策に対するものではなく、トランポニミクスが引き起こすであろうインフレへの心配だ。


グリーンスパン氏がWorld Gold Councilのインタビューで語った内容をBusiness Insiderが伝えている。
グリーンスパン氏は「金を主要な世界通貨と見ている」と語ったとされる。
業界団体向けのサービス・トークなのかどうか、内容を吟味しておこう。

「今日、金本位制への回帰は絶望の末の行動と見られがちだ。
しかし、現在、金本位制が実施されていたら、今のこんな状況にはなっていなかったろう。」

こう聞けば、量的緩和に対する懸念のようでもあるが、決してそうではない。
金本位制が有していた財政規律についての話なのだ。

「米国は実施しなければいけないインフラ支出を実施する余裕がない。」

グリーンスパン氏は、米政府の債務がすでに高水準にあることから、無理なインフラ支出が財政・市場の安定を損ないかねないと考えている。
そこで、金の効用の話になったようなのだ。

「もしも金本位制であったなら、こんな状態にはなっていない。
金本位制は、財政政策が脱線しないことを確保する一つの方法だからだ。」

グリーンスパン氏は、トランプ政権下で米国が「不安定期」に入ったと述べたとNewsMaxが伝えている。
以前からインフレの昂進リスクを警告してきたグリーンスパン氏は、トランポノミクスが1970年代のスタグフレーションの再来を招きかねないという。
その収拾策によって起こったのがボルカー・ショックだ。

米CPI(総合、都市部、青)と実効FF金利(赤)

「システム安定化の必要に再び迫られないですむよう願っている。
しかし、そうなるかはいまだ不透明だ。」

1970年代の高インフレの中、79年にFRB議長に就任したボルカー氏がインフレを抑え込むのに成功したのは確か。
しかし、そのためにFRBはFF金利を20%まで引き上げる必要に迫られている。
80年代とは異なり先進各国で政府・中央銀行の債務が拡大している。
大幅な金利上昇は政府の財政運営をさらに難しくし、中央銀行には逆ザヤをもたらしかねない。
物価目標はオーバーシュートさせるべきとの意見も多いが、オーバーシュートが行きすぎるのももちろん大問題なのだ。

また、グリーンスパン氏はユーロ圏について、機能不全に陥っていると語っている。