グリーンスパン:バブルなのは債券だ

Share

アラン・グリーンスパン元FRB議長が、スタグフレーションの到来を警告した。
現状、債券はバブル状態にあり、このバブルが解消すれば、金利上昇によって資産価格が悪影響を逃れられないという。


「いかなる観点から見ても実質長期金利はあまりにも低すぎ、したがって持続不可能だ。
(金利が)上昇を始めると、それなりに速く動く。
私たちが経験しつつあるバブルは株価ではなく債券価格の方だ。」
市場はこの分を割り引いていない。」

グリーンスパン氏がBloombergにこう語った。
米国株が史上最高値を試し続ける展開に、株のバブルを危ぶむ人は多い。
しかし、グリーンスパン氏は、根本のバブルは債券の方にあると言っているのだ。
だからと言って、株式投資家も安心はできない。
債券バブルが終わり債券が売られるとは、イコール金利が上昇することを意味しているからだ。
バブルの剥落分の金利上昇は、グリーンスパン氏の言う通り、ほとんど資産価格に織り込まれていないかもしれない。

「経済は新たな段階に入った。
1970年以降なかったスタグフレーションだ。
これは資産価格にマイナスだ。」

インフレと停滞が同時に起こるスタグフレーション。
これまでのブル派の理屈はこうだ。

《インフレが立ち上がり金利が上昇しても、経済も回復していれば企業収益のプラス要因が金利上昇のマイナスを上回るだろう。
だから、株式は上昇を続ける。》

なるほど、そうした可能性もなくはない。
しかし、グリーンスパン氏が予想するのは《インフレ+経済回復》ではなくスタグフレーション《インフレ+停滞》である。
この点を同氏はBloombergに次のように総括している。

「資本投資と生産性向上が急低下した結果、2008以来は停滞の時代に入った。
しかし、スタグフレーションが起こりつつある。」

グリーンスパン氏から言えば、2008年以降の経済回復は十分とは言えないのだ。
別の呼び方をするなら趨勢的停滞あるいはNew Normalということかもしれない。
そうした停滞のスープに、各国中央銀行は意図してインフレという具材を押し込もうとしてきたのである。