クラフト・ハインツ-多く払い過ぎたんだ:ウォーレン・バフェット

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイの2018年第4四半期の業績は、株価下落にたたられ、ボトムラインで253億ドルの赤字となった。
その大きな要因と挙げられる買収先クラフト・ハインツについてバフェット氏がコメントしている。


「ああ、私たちは払いすぎたんだ。
クラフトについてではなく、ハインツについてね。」

バフェット氏がCNBCで敗戦の弁を述べた。
2013年バークシャーは3G Capitalと折半で米加工食品大手H.J. Heinzを買収した。
強力なブランド力を有する食品会社の買収であり、ここまではバフェット氏らしいと言えるが、それ以外は異例ずくめだった。
インサイダー疑惑、折半出資、リストラ、節税など、この買収案件は大いに注目され、しばしば批判されることとなった。
ハインツは2015年クラフトフーズと合併し、現在に至っている。

バフェット氏はそもそもハインツに支払った金額が多すぎたと振り返っている。
一方、同氏は依然としてクラフト・ハインツの事業自体はすばらしい事業と評価しているのだ。

「同社は約70億ドルの有形固定資産を有し税引前利益60億ドルほどを稼いでいる。
・・・
しかし、わが社や以前の持主たち、主にわが社だが、が有形固定資産より1,000億ドルも多く支払ったんだ。
だから、クラフト・ハインツが使っている70億ドルではなく、1,070億ドルの分稼がなければいけなくなってしまった。」

つまりは超過収益の見誤りであり、企業買収における代表的な失敗の原因の1つだ。
バークシャーは(特に以前は)ハンズ・オフの買収スタイルを特徴とする。
優れた企業を買収し、優れた経営を継続させるといった具合だ。
ハインツもまたその1社となりえたが、買値が少々高すぎた。

ハンズ・オフの手法は、主に買収時に買収の果実を確定させるスタイル。
一方、ハンズ・オンでは、買収後に被買収企業に手を突っ込み、果実を生み出そうという試みだ。
共同買収・リストラ・節税・合併などをみると、ハインツ案件はバークシャーらしからぬハンズ・オンに挑戦したようにも見える。
強気相場の中で高騰する買収価格のために買収後に得られる絵に描いた餅をあてにせざるを得なかったのかもしれない。
いずれにせよ、オマハの賢人も自身の得意とするセクターで見誤ったのだ。


この減損が打撃を与えたのはバークシャーだけではない。
上場を続けるクラフト・ハインツの株価にははるかに厳しい下落が襲った。

クラフト・ハインツ(KHC)株価急落
クラフト・ハインツ(KHC)株価急落

クラフト・ハインツは2月21日の決算発表でブランドを含む資産の減損154億ドルを公表した。
同日の株価は48.18ドル、翌22日は34.95ドル。
1日で27%超も下げ、その後も過去最安値圏に低迷している。
同株の発行済み総数は1,219百万株で、バークシャーは325百万株を所有する。
22日の1日だけでバークシャーの持分の時価は43億ドルも低下したことになる。
クラフト・ハインツは12月末時点でバークシャーの保有銘柄のうち金額で第6番目となるポジションだ。

クラフトもハインツも日本人の多くが知る名門企業。
バフェット氏が言うように今も優良企業であることは間違いない。
その名門が多額の減損を行ったことをどう理解すべきだろう。
実は、同社が過大評価されているという見方は以前から株価に表れていた。
株価は2017年1月をピークに下落を始めていた。

クラフト・ハインツ(KHC)株価
クラフト・ハインツ(KHC)株価

クラフト・ハインツを称えたバフェット氏も本質的な課題を認めている。

「コストコは27年前Kirklandブランドを立ち上げ、昨年390億ドルを売った。
クラフトとハインツのブランドは合わせて260-270億ドルだ。
・・・
ハウス・ブランド、プライベート・ラベルが強くなっているんだ。」


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