投資

ギリギリまで待つ必要はない:ジェレミー・グランサム
2021年5月26日

大手投資会社GMOの共同創業者ジェレミー・グランサム氏が、自らバブルと宣言した局面において生みの苦しみを耐えている。


2σの価格変動を確認するのは統計的に単純なことだ。・・・
そして、すべてが元のところに戻っていった。
すべて、どれもね。

グランサム氏がFTのインタビューで、長期的な市場変動についての信条を語った。
同氏の信念は中央回帰だ。
こうした信念を持つグランサム氏にとって、上げ下げにかかわらず長期投資を続けるスタイルはどう見えるのか。

「それは平均的投資家、臆病な投資家にとっては完全に良い戦略だ。」

裏を返せば、平均以上のマーケット・タイミングをうまくやれる投資家からすれば、やはり《安く買って、高く売る》べきと考えているのだ。
そして、売り時を知ることはさほど難しくないという。

ひどく割高な市場を確認するのは難しいことではない。
過去も現在もとても容易だ。
グラフを描けば、台地から抜け出したヒマラヤ山頂のように見える。

グランサム氏は、今が売り時であると確信している。
ただし、価格が割高だったとしても、弱気相場がすぐに訪れるとは限らない。
グランサム氏も「心理的問題」が効いていることは認めている。
それでも売り時と考えるのは、早すぎることが致命的であるとは限らないからだ。
例として、大恐慌の口火を切ったブラックサースデーを挙げている。

1929年10月に退出する必要はなかった。
かなり危うかったのだから、5-6月に退出してもよかったし、1928年のうちでもよかった。
大損を回避できたのだから、いつでもよかった。

実際、グランサム氏は2000年のドットコム・バブルにおいて早めに退出する道を選んだという。
結果、利益を取り漏らし、顧客に逃げられたというが、2001-02年にはいち早く利益を出し、他社をアウトパフォームしたという。

アクティブ運用を行う投資家には難しい投資環境だ。
特にリスクテイクに慎重な日本人の場合、大きな値上がり益を取り漏れている人も多いだろう。
バブル崩壊がすぐと思っていたのに、何年待ってもやってこないといった感じだ。

バブルの研究家、バリュー投資家として高名なグランサム氏も今同じ苦しみを耐えている。
GMOは昨年5月、株式エクスポージャーを10-30%減らしたと公表した。
翌6月にはグランサム氏が、バブルの進行中を宣言した。
11月にはGMOの運用するファンドから大量の資金引き出しがあったことが報じられた。
多くの顧客が、GMOの守りの運用方針を見限ったのだ。
そして、今年1月、グランサム氏は数か月のうちのバブル崩壊を予想したが、今のところ実現していない。
今回は、同氏にとってキャリア4度目の純正バブルだという。
ここが辛抱のしどころなのだ。

すべてのバリュー投資の運用者と同様、状況はすばらしくは見えないだろう。
でも、次の弱気相場の底では、再びプリンセスのように輝くだろう。
そして、行って来いで儲かっているはずだ。


-投資
-, , ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。