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キャリア最高の金融環境の脆弱さ:モハメド・エラリアン

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏は、市場が超低金利に慣れ切り脆弱になっていると指摘し、危険の察知のしかたを説いている。


ケネス・ロゴフが今朝の番組で指摘したとおり、システムは金利上昇に対して準備ができていない。
問題は、私たちが超低金利、とても振る舞いの良い金利に慣れていることだ。

エラリアン氏がBloombergで、経済・市場が金利上昇に対して脆弱になっていると指摘した。

今は投資家にとって素晴らしい環境だ。
流動性は潤沢で予見可能、極度に緩和的な金融環境、このパラダイムが続くとの確信。
私の市場でのキャリアの中で最も有利な流動性パラダイムであり、投資家に莫大な恩恵をもたらしてきた。

エラリアン氏は、これまでの金融環境が投資家にとってとても有利に働いてきたと指摘する。
同氏のキャリアの中で最高というから、30年超で最高ということになる。
それが今もまだ続いているのだから、熱狂のような感覚にとらわれる投資家も多いのだろう。

「そのような状況では、通常リスクテイクが増える。
リスクを取るよう促され、過剰なリスクテイクを生じる。
今年いくつか事例があった。」

エラリアン氏は「過剰なリスクテイク」の具体例こそ言及しなかったが、おそらくゲームストップ株、SPACの流行、アルケゴス破綻、暗号資産の活況などが念頭にあるのだろう。
金融緩和環境に慣れ切った市場が「過剰なリスクテイク」を行っていることは文字通りリスクだ。
そして、そのリスクを顕在化させる引き金として心配されるのがインフレだ。
今後数か月、ベース効果の影響もあり、インフレの指標が高水準になると見込まれている。
問題は、その後再びディスインフレに戻るのか、それともインフレの基調に変化が訪れるのかだ。
エラリアン氏はいずれかに山を張ってはいないようだ。
つまり、断定はできないが、インフレの基調が上昇する可能性があり、そうなれば金利にも押し上げ要因となろう。

「問題点は、当初の状況がすべて超低金利にとても長い期間よっていることにある。・・・
だから、市場の反応関数は、経済学者やFRBとは大きく異なるものになるかもしれない。」

市場参加者が超低金利に慣れ切っている。
そのため、FRBが考えるよりも市場が金利に対して脆弱になっているかもしれない。
結果、FRBの金融政策正常化が金融環境を引き締めすぎる可能性がある。

エラリアン氏は、リスクテイクについてマクロとミクロの両方で注視すべきと話す。
システムのリスクテイクは過剰ではないか。
投資家は、リスクの過剰な分野にエクスポージャーを持っていないか。

キャスターから、何に注目すべきか尋ねられると、エラリアン氏の答は一言、資金フローだった。

これまでフローは市場に向かう一方だった。
フローが滞っていないか。
現在の市場はより多くフローに頼っている。
過去数日のSPACで起こったのは、フローに疑問符がついたということ。
だから、フローだ。
フローに気を付けろ。


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