コモディティ王デニス・ガートマン氏(69歳)が30年間続けた日刊のニュース・レター「The Gartman Letter」が昨年大晦日に最終号を迎えた。
私たちは幸福だった。
心から皆さんに感謝します。
みんなありがとう。
ガートマン氏が最終号で読者・関係者・家族らに感謝の言葉を綴った。
投資のニュース・レターを毎日送り続けるのは容易なことではない。
日付が変わった頃に起き出し、最新のニュースや市場を把握し、記事を書く。
30年間読者を飽きさせないのには並外れた視野の広さと努力が必要だったろう。
ガートマン氏は最終号で、市場から学び、現在守っている考え方を4点挙げている。
そのうちの3つは、日頃のガートマン氏の発言から想像ができるものだ:
- 失敗しているポジションへの掛け金を増やすな。
ロングなら難平買いをしてはいけない。
想定と逆のことが起こっているのに、ポジションを大きくするのは誤り。 - 「市場は破産せずにいられるよりはるかに長く不合理であり続けることがある。」(ケインズ)
市場は合理的な方向に動くとは限らないから、思い込み・頑張りすぎはよくない。 - 「ファクトが変わった時、私も変わる。」(ケインズ)
市場やファンダメンタルズの前提が変化した時には、投資への考えを改めろ。
人気のものは不人気になり、予想を当てていた者は(ごく一部を除き)当たらなくなる。
ガートマン氏は、長期投資家というよりは典型的なトレーダー・タイプ。
蛮勇を奮い常に予想し続け(的中させることも多かったが)大いに外してきた。
予想でもトレードでも言い訳をせず、だらだら引っ張らず、短期間で負けは負けと認めてきた。
ガートマン氏は、市場が常に変わり続けるものと割り切っているのだ。
そして、その変化の特徴をいくつか挙げている。
- 「悪いことは良いことよりもはるかに素早くやってきて、弱気相場は強気相場よりはるかに厳しく素早く恐ろしい。」
- 「経済ニュースとは、それが重要になり、とても重要になるまでは重要でない。」
- 「強気ニュースで上がらない市場とは強気相場でないか、以前の強気相場が終了済みかだ。」また逆も真なり。
ファイナンス理論が疑問視するマーケット・タイミング戦略に挑み続けた半生だった。
今後は隔週のコメンタリーやポッドキャストを考えているというガートマン氏。
最後に4つ目の考えを披露している。
最後に、私たちは、すべてのビジネスの中で最もすばらしいものに携わってきて、これからも携わっていくことを学んだ。
このビジネスでは毎日、天才たちと競い合うことができる。
こんなこと本当にそうそうない。