新債券王ことDoubleline CapitalのJeffrey Gundlach氏が、米国の筋違いの財政政策に疑問を呈している。
米減税が経済にもたらす影響を予想し、様々な資産クラスへのインプリケーションを語っている。
経済成長はすでに加速しているのに、財政赤字はすでに増加しているのに、どうして減税なんだ?
Webcast後のインタビューで、ガンドラック氏は極めて常識的な疑問をReutersに投げかけた。
すでに失業率は完全雇用に近いとされ、需給ギャップはほとんどないと考えられる今、なぜ財政政策が必要なのか。
連邦政府が失う税収は、企業の利益のかさ上げ・海外への流出に向かうことになる。
景気がさらによくなることは悪いことではないが、反動が来るなら無意味だし、お金の使い方として果たして効率的と言えるだろうか。
「減税は税収を減らし、財政赤字を増やし、そしておそらく債券の供給を増やし、おそらく経済成長を加速させる。
そうなれば、あの規模だから、債券市場には悪影響が及ぶだろう。」
ガンドラック氏は財政赤字拡大と一時的な景気押し上げを予感し、債券利回りの上昇を予想する。
「今後4年ほど年あたり平均75bp程度の上昇があってもおかしくない。
もちろんボラティリティ上昇もだ。」
CNBCはガンドラック氏の資産クラスごとのコメントを伝えている。
- 米国債: 長短スプレッド縮小は要注意
人々がイールド・カーブについて言い訳を始めたことは、現在が金融引き締めの開始期ではなく中期にあることを指すのだという。
「長短スプレッドがゼロになれば、不況への黄信号だ。」 - 米ドル: 下落
FRBは予定するほどには引き締めを進められないと予想。 - 新興国市場: 前向き
ドル安の恩恵を受ける。 - コモディティ: 今が買い時
過去、株式よりコモディティを買うべきだったレベルにある。
ドル安の恩恵を受ける。 - 金: ポートフォリオの10%は多すぎ
幅広いコモディティに10-15%配分すべき。 -
米企業向けクレジット: 米国債に対するアウトパフォームは終わりが近い
企業向けクレジットとジャンク債はQEの恩恵を受けてきた。
ガンドラック氏はビットコインについて含蓄の深いコメントをしている。
「ビットコインは時代の兆候だ。
かつてのドットコム銘柄のようなもの。
・・・
ドットコム銘柄を買わなかったように、ビットコインも買わない。」