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カータレスク、1970年に似てきた:ジェフリー・ガンドラック
2021年7月16日

ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、過去10年のリスク資産の強気相場が刺激策頼みであると指摘し、2か月後にも変化が訪れる可能性があると予想している。


株式にとっての最大の議論は債券より割安ということだったし、今も債券より割安だ。
債券利回りがバカらしいほど低いからだ。

ガンドラック氏がCNBCで、前回出演の1月以降、株式バリュエーションに対する奇妙な現実が変化していないと話した。

「FRBはQEを続けており、まだほぼ一定の状態が続いている。
そのため、ほぼ物理の法則のように、FRBのバランスシートをS&P 500時価総額で割ると一定になり、これが過去10年ほどに当てはまる。
つまり、FRBは債券買い入れを続け、金利を抑制し続け、それが株式市場を支えてきた。
もちろん、刺激策の財政支出もとても大きな支えになった。」

ガンドラック氏がいいたいのは、米国株市場が金融・財政刺激策に依存しているということ。
そして、今後はその刺激策に不確実性が増していくという。
ポイントは、多くの市場関係者が心配するインフレだ。
インフレが昂進しないことが刺激策継続の必要条件になるが、近時の物価統計は楽観を許さない。

「FRBは、インフレが一時的、あるいは彼らが好む『一過性』であるというのが難しくなってきている。
PPIの数字は大きく、今日出た輸入物価は11%、みんなが知っているCPIは5.4%だ。」

ガンドラック氏は、米10年債利回りからCPIを引いて計算した実質金利がマイナス4%になっているとし、「ジミー・カータレスクだ」と皮肉った。
カーター大統領は1977-81年に大統領を務め、過酷なインフレを残して後任にホワイトハウスを譲った大統領だ。
元々の原因はもっと前の政権にあったのだろうが、結局インフレを止めることができなかった。

ガンドラック氏は、インフレだけでなく多くの状況が1970年代前後に似ていると指摘する。

「膠着状態にあったアフガニスタンでの失敗した戦争から米軍は引き上げたばかりだが、これは1970年代のベトナムを思い出させる。
1960年代終わり、70年代、80年代初めまで、インフレにつながる軍事・経済の二兎を追った政治が行われた。
今も明らかに軍事と経済、学生ローン免除、タダの失業給付などすべて揃っている。」

ガンドラック氏は、こうした1970年代と似た政策が株式・コモディティを押し上げ「インフレと比べてバカらしく低い債券利回りを生み出している」という。
同氏は、現行の高い物価指数が状況を変化させうると示唆している。

もしもあと2か月こうしたデータが出てくるなら、FRBは現実度チェックに追い込まれるだろう。


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