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オーストラリアが直面する究極の選択:モハメド・エラリアン
2019年11月18日

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、オーストラリアが将来直面しうる極めて深刻で先鋭な選択について予言している。


「そう願っている。
そうなれば目覚ましい成果だ。」

景気拡大を28年間継続しているオーストラリアが記録を30年に伸ばせるかと尋ねられ、エラリアン氏が豪ABCで話した。
毎年記録を更新していることを称賛し、コモディティ相場が良くない局面でも景気後退とならない点を指摘、経済そのものや経済運営を高く評価している。

エラリアン氏は、そのオーストラリアが今2つの難題に直面しているという。

  • よく語られる点: 輸出だけでなく中国への依存が高く、その中国の置かれた環境が変化していること。
    「中国はもはや国内の改革をやりやすくするために世界経済に依存することができなくなっている。」
  • あまり議論されていない点: 米中対立が先鋭になれば、二者択一を迫られるだろうこと。
    「主たる市場である中国と通商を続けるか、米国とのとても特別な安全保障上の取り決めを続けるか。」

エラリアン氏がつきつけた究極の選択は、日本にとってもとうてい他人事とは思えないものだ。
オーストラリアも日本も現時点でのコンセンサスは決まっているのだろう。
しかし、エラリアン氏がこう問いかけるのを見ると、その選択肢の及ぼす経済面での影響は大きく、かつ、もう1つの選択肢の可能性がそう低くないことを示しているようにも思えてくる。

エラリアン氏は、オーストラリアがいずれを選択するかは予想がつかないという。
ただ、米国がイラン合意を破棄した際に駐ドイツ米国大使が独企業経営者を呼び寄せて伝えたとされるメッセージを紹介した。

『私は、あなたたちがどうやれば仕事をとれるかを教えたりはしない。
それはあなたたち次第で、私はただその結果起こることを教えるだけだ。
イランともっと仕事をしたいなら、米国との仕事は減ることになる。』

米国がイラン合意から離脱した時、欧州をはじめとする国際社会のほとんどは米国を非難した。
EUはイラン合意を維持しようとし、欧州企業もイランとの取引継続を望んだ。
しかし、イランを兵糧攻めにしたい米国は欧州企業に強い圧力をかけ、取引継続を阻止しようとしてきた。

エラリアン氏の今回の発言は、それが対中国でも起こりうるというものだ。
経済の重要性の差からいって、現状での確率は高くないのだろう。
しかし、本当に起こりうるなら、対中国の場合は対イランよりはるかに大きく難しい問題を引き起こすのだろう。


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