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オペレーションツイストの匂いがする:ビル・グロス

ビル・グロス氏が、GameStop株、米インフレ、米金利、FRB金融政策について尋ねられ、米長期債をショートしていると明かしている。


投資したのは約10百万ドルで、だいたい同じくらい勝ってるよ。

グロス氏がBloombergで、心の底から湧き上がるようなドヤ顔を披露した。
長い間いろいろ災難続きだったこともあり、これほどのドヤ顔は久しぶりだ。

約10百万ドル(約11億円)勝っているポジションとは、GameStopである。
グロス氏は、無数の投資家が(買いで)ショート・スクイーズを狙った騒動において、売り方として勝利を収めた。
しかも、まだ勝負を続けているという。

「私はまた参入し直し、コール・オプションを250-300ドルで売っている。
ボラティリティは極めて高い。」

16日のGameStop株の終値は208.17ドル。
売ったコール・オプションはファー・アウトオブマネーの状況だ。

それにしても、何度聞いてもすごい76歳だ。
明らかに投機的な上げを続けている銘柄に売り方で参戦する。
しかも、約11億円も。
機関投資家を引退したグロス氏が運用しているのは、家族と慈善基金のお金。
お金持ちはスケールが違う。
ちなみに、PIMCO全盛時代、グロス氏とモハメド・エラリアン氏は、おのおの年間200百万ドル、100百万ドルの報酬を得ていた時期もあった(2011年)から、仮に負けても困りはしなかったのだろう。

以下、その他、より本質的なテーマについてのコメント。

  • 過去1月余り米国債をショート: 10年債が売られると予想していた。
    「今もある程度長期債をショートしている。」
  • インフレを予想: コモディティ価格、ドル相場、財政刺激策、輸入物価、家計の所得などが示唆。
    「現在2%より低いインフレは今後数か月は2%未満とはならない。
    今後3-4%といった数字になるだろう。」
    今後数か月はもちろんベース効果による上昇もあるが、その後もある程度のインフレが続くとの考えであろう。
  • FRBの金融緩和姿勢:
    「3、6、12か月間にわたって3-4%+のインフレが起これば、パウエル議長は現在の政策を停止するだろう。」
    ただし、次項を見る限り、インフレはそう高くならないと考えている様子。
  • FRBの政策変更: 将来オペレーション・ツイストが行われる。
    「もしかしたら、過去2週間オペレーション・ツイストが行われていたのかもしれない。
    わからないけど、少し匂うね。」
  • うまくいっているポジション: 天然ガス・パイプラインのMLP

かつて債券王と称えられた老投資家は、引退にあたって、次の債券王は誰かと尋ねられたことがある。
グロス氏の答は、まともな市場環境なら、グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏がなれたはずというものだった。
この日のインタビューで、グロス氏は、マイナード氏の米国債市場に対する見方を紹介している。
テクニカル分析の観点から、マイナード氏は、まだ債券が弱気相場に転じたとは断言できないと主張している。
米国債をショートするグロス氏とは逆方向の考えだが、グロス氏は懐の深いコメントを付している。

彼が言うのは基本的に、チャネル・ラインが突破されるまでは、まだ(利回り)低下トレンドにあるというものだ。
私はこれに賛同しないが、面白い命題だ。


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