エラリアン:押し目買いが終わるとき

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独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、不安渦巻く中でも持ちこたえ続ける米市場の心理を解説した。
押し目では買うという市場心理はいつまでも続くものではなく、早急な政策対応が待たれるという。


「リスク資産の持ち直しは、現在市場に深く浸透している『押し目では買う』心理によるところが大きい。
そして、それは繰り返し多くの儲けをもたらしてきた。」


エラリアン氏はBloombergへの寄稿で、底堅い米市場の環境を解説した。
混迷する内政・外交によって、米市場・経済・社会はいつになく不透明な状況にある。
それにしては、リスク資産の市場は健闘している。
下げることはあってもその幅は限られている。
米国がおかれている状況と比べれば、驚くほど小さな下げ幅だ。
エラリアン氏は4つの要因を挙げる:

  • 世界的なゴルディロックス経済が続き、インフレ昂進の心配が小さい。
  • 各国中央銀行が利上げやテーパリングに慎重で、市場を下支えしている。
  • ETFなどパッシブ運用へのシフトが続き、銘柄ごとの強弱が小さくなり、市場全体を押し上げている。
  • 企業収益が好調で、今後も株主還元やM&Aを通して市場にキャッシュが還流する。

こうした要因が米市場の底堅さの背景にある。
エラリアン氏は、足元の企業収益が良好であると指摘しながら、それでも資産価格とファンダメンタルズには乖離が存在すると考えている。
これまでは需給がこの乖離による悪化要因を打ち消してきたが、そうした構図は永遠に続くものではないという。

「伝統的なバリュエーションの方法やモデル、特に過去に基づくものよりも価格が上回るのには限界がある。
今はトレーダーや投資家にとって長く楽しい旅路だ。
しかし、多くの旅と同じく、いつかは持続可能な目的地に行く先を譲らなければならない。
このために必要な条件の一つが、より高く包括的な経済成長を促進するための政策の強化だ。」

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