独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、市場のリスク要因を4つ挙げている。
政治以外にも落とし穴は至るところにあると指摘した。
米国株が9日連続で下落している。
大統領選の不透明感を嫌った下落と見られるが、エラリアン氏はYahoo Financeへの寄稿で投資家に4点の注意喚起を行っている。
- 最近の下げは大きな調整と言えるものではない
「投げ売り、ポートフォリオの制約、流動性の枯渇の兆候はまだ見られない。」
- 政治の不透明は多くの「いつにない不透明さ」の一つにすぎない
「しかも政治的なものでしかなく、これが経済・金融・制度面の要因に関連している。」
- 一般的な株価指数に投資するだけでは高リターンはえられない
「銘柄選択とタイムリーなタクティクスがこれからも今後もトータル・リターンにとって重要な要因だ。」
- 今後の市場は(米大統領選・イタリア国民投票など)政治的要因に左右される
「こうした環境で中央銀行のアクティビズムが継続され、市場は経済・企業業績のファンダメンタルズから乖離してきた。」
かつて、ビル・グロス氏とともに世界最大の債券ファンドPIMCOを率いたエラリアン氏。
リーマン危機の時には事前に複数のシナリオを想定し準備することでPIMCOの損失を最小限に抑えることに成功した。
ダウンサイドの想定には神がかり的な才能を備えている。
債券投資家だから弱気バイアスが働くのは不思議ではない。
しかし、米市場のセンチメントは株価指数に現れている以上に悪化しているようにも感じられる。