エラリアン:当面政策はオート・パイロット

独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏は、FRBの金融政策正常化が順調に進展している点を評価した。
好調な経済・市場を揺るがすとすれば大きなショックが走る場合か、他の主要中銀がバランスシート縮小を始める時だと言う。



The Fed is on ‘autopilot’ for the next few months: pro from CNBC.

「短期的には米金融政策は基本的に変わらない。
短期的には(次期FRB議長が)ジョン・テイラーだろうが、ケビン・ウォルシュだろうが、ジェローム・パウエルだろうが、他の人だろうが変わらない。」

トランプ大統領が次期FRB議長候補をパウエル理事に決める少し前、エラリアン氏はシンガポールでCNBCのインタビューに答えた。
次期議長が誰になろうが、12月利上げなど金融政策の「オート・パイロット」はONになっており、大きな政策変更は予想されないという。
イエレン議長の下、FRBはすでに金融政策正常化をスタートさせており、状況は上々だからだ。

「FRBは順調に『美しい正常化』をスタートさせた:
量的緩和をストップし、利上げをし、市場を混乱させたり世界経済の回復を妨げたりすることなくバランスシート縮小の道筋を宣言した。
誰もこの美しい正常化を邪魔しようとは思わない。」


市場の自己満足が高まっていることへの懸念について尋ねられると、エラリアン氏は同意しつつも、自己満足には根拠がある点を付言した。
過去数年、実際に儲かる市場だったからだという。
市場をロングし、押し目買いをすれば儲かる市場だった。
ワン・パターンの儲けに慣れきった市場は上げ続けることが多いとエラリアン氏は考えている。

「市場は儲かるトレードを続けるように条件付けされてきた。
この条件付けを取り払うには大きなショック、あるいはその連続が必要になる。」

市場は極めて深く条件づけをされており、小さなショックでは我に返ることはないという。
では、とびきり大きなショックではどうか。

「(米朝対立のような問題は)定量化が難しい。
市場はこうしたリスクをリスクと認めながらも、それを価格に織り込まない傾向がある。」

つまり、定量化が難しいような大きなリスクについては、市場はまだ織り込んでいない場合があるということだ。
さらに、エラリアン氏は先の読みにくいシナリオについても言及している。

市場の心地よさと現実の間には大きな食い違いがある。
複雑なのは、FRB以外の主要中銀が正常化を始めたらどうなるかだ。

FRBがバランスシート縮小をしても、ECB・日銀がバランスシートを拡大している間は(為替リスクをともなうとは言え)流動性の供給は続いている。
ECBや日銀がバランスシートを均衡または縮小に転じれば、主要中銀合計で流動性を吸収する時期がやってくる。
信用創造によってマネー・サプライが減らないならインフレや金利上昇が気になるだろうし、マネー・サプライが減るなら経済・市場は冷えることになるだろう。


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