エラリアン:市場が織り込む3つのシナリオ

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独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、楽観的な市場心理を分析している。
市場の心理は(相反しない)3つのシナリオを思い描き、実現するのを待っているのだという。


エラリアン氏がThe Grobe and Mailで示した3つのシナリオは以下の通り:

1) 内政的な経済・金融の回復シナリオ
世界経済の回復が続き投資・消費が拡大し、資産バブルの懸念が薄らぐ。
FRBほかの主要中央銀行が秩序だった金融政策正常化を進めるとの観測が強まる。
このシナリオでは、株価指数や一部の勝ち組の銘柄・国に賭けることでよい結果が得られる。
したがって、大きな公開市場における低コストのパッシブ・ファンドが引き続き良好なパフォーマンスを上げる。

2) 待望の政策によりブレークスルーが得られるシナリオ
緩やかな回復を政府の政策によって加速させる。
規制緩和、金融・財政政策のバランス改善、債務上限引き上げ、国際的政策協調などだ。
このシナリオではアクティブ運用を用いたリスク・オン戦略がよい結果を生みやすい。
特に政策変更が行われる場合、それを先回りして投資対象を選択すべきだ。

3) 流動性供給継続シナリオ
金融政策や企業の株主還元による市場への流動性供給が継続し、世界のあらゆる資産に流れ込む。
従来は流動性の高くなかった資産クラスにまで投資が拡がる。
この場合、上記2つのシナリオのいずれかが同時に成り立つ。

こうした3つのシナリオのうち、少なくとも2つを市場は織り込んできたとエラリアン氏は指摘する。

「条件の具体化が繰り返し遅れているにもかかわらず、投資家は喜んでこうした結果に賭けてきたのだ。」

遅れている「条件の具体化」とは何であろう。
1)世界経済の回復が鮮明になりつつあること、2)流動性供給はむしろ逆の方向性であることを考えれば、3)種々の政策ということであろう。
エラリアン氏は、主にトランプ政権の政策が先回りして市場に織り込まれていると言いたいのだ。
市場は政策効果を先食いしている。
つまり、この点を見る限り、リスクはダウンサイドに寄ってしまっているとの示唆であろう。