エラリアン:売り逃げられないリスク

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独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏がBloombergへの寄稿で、パッシブ運用ファンドが好まれる第3の理由を解説している。
パッシブ商品について、平時の流動性を有事にも期待しすぎるべきではないという。


パッシブ・ファンドが好まれる主な理由として真っ先に挙がるのは次の2つだろう:

  • 安い手数料
  • 連動する指数に有利な市場環境ではアクティブ・ファンドをアウトパフォームできる確率が高まる

特に近年の一本調子の上げ相場では、パッシブ・ファンドは良好なパフォーマンスを残している。
しかし、エラリアン氏によると、パッシブ人気には第3の理由があるのだという。

「大口投資家の中には、アップサイドを取りつつ、高騰する資産価格がファンダメンタルズの改善で正当化されない場合に速やかに低コストで撤退する戦略のための魅力的な代替手段としてパッシブ商品を用いる例が増えている。」

Yes, butとバーベル戦略

この変化を理解するために、エラリアン氏は投資家の「Yes, but…」パラダイムと呼ぶ思考回路を説明する。
現在の投資家の典型的な環境認識はこうだ。

  • Yes: 世界同時的な景気拡大が進んでおり、各国の経済政策にも期待が持てるものが出てきた。
  • But: 賃金・インフレが上がらず、各国が通貨高を許容せず、主要中銀が非伝統的金融緩和を巻き戻しはじめ、地政学的リスクも高まっている。

こうした相反する環境認識が、投資家にバーベル投資戦略を必要とさせるのだという。
YesとButの両方に備えるために、2種類の特性の投資対象群が求められる。

  • Yes: 公開市場における比較的高リスク・比較的低流動性のエクスポージャー
  • But: 現金等価物

(次ページ: 流動性枯渇の連鎖)

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