エラリアン:世界経済に待ち受けるT字路

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独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、楽観の支配する金融市場を心配している。
2017年は世界経済にとって大きな岐路となり、道を間違えれば不況と混乱が待っているという。


エラリアン氏はNikkei Asian Reviewのインタビューで広範なテーマについて語っている。
従前の意見通り正統的な内容を語った後、2017年を展望している。

「世界経済が2017年も同じ状況のまま続くというコンセンサスが強まっていることを懸念している。
つまり、低く安定した成長が続き、各国の中央銀行が金融市場のボラティリティを抑え込めるというコンセンサスだ。」

波乱要因を中央銀行が抑え込んでくれるという楽観的なムードに警鐘を鳴らしたものだ。
金融政策の効果に限界が見え、副作用が強く感じられるようになると、中央銀行はこれまでのような具合には助けてくれない。
利上げも進むし、ある程度のボラティリティも許容されるようになるだろう。
そして、市場動揺の種は減るどころか増えるばかりだ。

「経済、財政、政治、制度といった観点から見て、現在の世界経済の軌道は安定性を失いつつある。
水面下で緊張と反駁が大きくなっている。
このために、起こりそうのないことが現実になってしまう。」

こうした切迫感から、エラリアン氏は今年、世界経済が岐路にさらに近づくという。
エラリアン氏は以前から世界が岐路に差し掛かったと話していた。
その岐路とは、まさに天国と地獄に分かれるT字路だ。

  • 天国:
    「政治家が経済に対する責任を果たすようになれば、低成長は高成長かつ包括的な成長に変化する。
    人為的な金融安定は、真の金融安定に変化する。」
  • 地獄:
    「政治家が責任を果たさなければ、低成長は不況に発展し、真の金融安定は抑えられないボラティリティに変化する。
    現在の世代だけでなく、将来の世代にとっても大きな危機となる。」