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ウォーレン・バフェット氏64年ぶりのIPO株で濡れ手に粟

正確に書くなら、ウォーレン・バフェット氏というより、同氏がCEOを務めるバークシャー・ハザウェイが、IPOではなくIPO直後の株式で莫大な含み益を得た、ということになる。


バフェット氏は昨年3月のCNBCのインタビューで、同氏もチャーリー・マンガー副会長もIPO株式には興味がないと言っていた。
特に個人投資家が上場したての株を買うのはリスクが高いと示唆していた。
多くのバフェット・ファンにとって、このメッセージに違和感はなかったはずだ。

今月に入って、バークシャーがデータ・ウェアハウスVBのスノーフレイクにIPO直後IPO価格で投資することが明らかになった。
スノーフレークはコロナ禍によるクラウド需要の高まりという追い風を受けているとはいえ、過去の業績は営業赤字。
バークシャーの投資スタイルの変化をまた1つ印象付けるものとして注目された。

そのスノーフレイクが16日、ニューヨーク証券取引所に上場した。
バークシャーによる投資が開示された8日時点のIPOの仮決定価格は80ドル。
実際のIPO価格は120ドル。
初値が245ドル。
初日は319ドルまで上げる場面があったが、引けは253.93ドル。
それでもIPO価格の倍以上だ。
2012年創業の営業赤字企業の時価総額は704億ドルとなっている。
(時価総額でゴールドマン・サックスを抜いている!)

CNBCの試算では、バークシャーの持分は当初の7.3億ドルから15.5億ドルと、1日のうちに8億ドル超の含み益になったのだという。
もちろん、いまだ含み益でしかないが、含み益は含み益だ。
1日に約840億円相当の含み益を得て喜ばない人も会社もないはずだ。

一方、古くからのバフェット・ファンなら何とも言えない寂しさも感じるのではないか。
この投資に知恵や汗はあったのだろうか。
仮にただ単に莫大な資金とネーム・バリューの結果生まれた投資なら、結果的にバフェット氏が築いた名声がベンチャー株の押し上げに使われた形になる。
実際、最近のバークシャーの新たなタイプの投資についてはバフェット・マンガー両氏が主体となっているものではないとの見方が大勢になっている。
おそらくトップとしての拒否権さえ行使されないほど権限移譲が進んでいるのだろう。
もちろん新たなタイプの投資が悪いというわけではない。
ただ1つ言えるだろうことは、バークシャーはもはやバフェット信者が参考にしたり真似たりする対象ではなくなってきているということだろうか。


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