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ウォーレン・バフェット氏のバークシャーが自社株買い拡大

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが自社株買いを拡大している。


同社の第2四半期の四半期報告書によれば、5-6月に同社はA株・B株合わせて51億ドル分を買い戻している。
これはコロナ・ショック前の前年第4四半期と比べ(株数・金額で)倍前後の規模。

通常、企業が自社株買いを行う時、他の条件が同一ならば、それは企業が良質の投資機会を見出せずにいるのではと推測される。
余ったお金を使う投資先がないから、次善の策として(フェアバリューまたは割安と思える)自社株を買ったのでは、との推測が働くからだ。
しかし、今回のバークシャーのケースはそれが最大の要因ではなかったようだ。
むしろ、同社株価の出遅れにあったように見える。

バークシャー・ハザウェイA株の株価
バークシャー・ハザウェイA株の株価

バークシャー株価は4月上旬から突如、市場をアンダーパフォームし始めた。
第1四半期決算の公表は5月4日だから、決算開示前に何かニュースがあったはずだ。
そのニュースとはおそらく航空株売却だったのだろう。
2月には航空株を買い増し、3月には航空株を売却しないと言っていただけに、このニュースのインパクトは大きかった。
バフェット氏の読み違いを心配する人が増え、それがバークシャー株の出遅れの一因となった可能性は高い。

バフェット氏はこの失敗をチャンスに変えた。
下落し出遅れた自社株を買い戻したのだ。
バークシャーの時価総額はA株だけでも5,000億ドル規模だから、自社株買いの株価への寄与はそう大きくはないだろう。
また、コロナ・ショックの影響はバークシャーにも及んだから、第1四半期はもちろん赤字だった。
ところが5月中旬から同社株は無事キャッチアップを始める。
その後、パイプラインの大型買収バンク・オブ・アメリカ買い増しなどのニュースは、少なくとも一部の投資家には好感されたようだ。

売却があり、投資・自社株買いがあった。
第2四半期末の現金等価物は過去最高の1,465億ドル。
年前半の投資キャッシュフローは425億ドルのマイナス(投資超)だが、そのうち国債等が460億ドルのマイナス。
つまり、株式等リスク資産への投資が進んでいない。
年前半の自社株買いは67億ドル。
パイプライン買収に次ぐ《投資案件》だったわけだ。
しかし、その規模はやはり手元現金に比べると相当に少ない。
投資難が続く中、バフェット氏は現状をエントリーの絶好のチャンスとは見ていないだろう。


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