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アスワス・ダモダラン ウォーレン・バフェットの20年越しの敗因:アスワス・ダモダラン
2021年6月12日

アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、良い投資とは良い企業を買うことではないと説いている。
また、インフレが持続する場合に備えてポートフォリオに入れておくべきセクターについて述べている。


質の高い会社を買えという人がいる。
とても悪いアドバイスだ。

ダモダラン教授がRealVisionでのインタビューで語った骨子をMarkets Insiderが伝えている。

良い企業は、よほどの掘り出し物でない限り、良いお値段がついていることが多い。
良いモノに高く払うことは、必ずしも良い投資にはならないとの趣旨だ。
投資で儲けるには《Buy low, sell high.》を実践しないといけない。

ダモダラン教授は警告する。

「良い企業は悪い投資になりえ、悪い企業は良い企業になりえる。」

このあたりは、ディストレスト分野の草分けの1人、ハワード・マークス氏がたびたび話してきたことだ。
良い企業にしか投資しないなら、そもそもディストレストへの投資などできない。
同氏は、投資とは「うまく買うことだ」と話している。

でも、投資家の多くは、良い企業を買うべきと奨められることも多いはず。
その筆頭がウォーレン・バフェット氏だ。

ダモダラン教授は冷徹にファクトを述べる。

「ウォーレン・バフェットは過去20年間ほとんど平均的な投資家(の成績)だった。
市場の中でリターンをもたらした部分は、彼が苦手とする部分、すべてが将来にかかっているグロース企業だった。」

グロース企業も、ある意味でまだ出来上がっていない投資対象と言えるのかもしれない。
過去20年でいえば、足元のキャッシュフローより将来のそれの方が、投資にとって重要なポイントだったのだ。

ダモダラン教授は、FRBが危険な思い込みをしていると警告する。

「FRBはオズの魔法使いのようなもので、その力の源泉は、力があると考えられているところにある。
心配なのは、FRBがその力で裏付けることのできないことを言いたがるようになっていることだ。・・・
自分たちの声明を読んで、自分たちが現実より大きな力を有していると考えている。」

これはFRBだけの傾向ではあるまい。
先進各国の政府・中央銀行がますます人為的に経済・市場を操作しようとすることに躊躇しなくなっている。
各国のリーダーの言は、かつての共産主義国家による計画経済を彷彿とさせる。
後でつけが回ってくるかもしれない点には無頓着だ。
こうした流行が現在、多くの国の中央銀行に似たような政策を実行させている。

中央銀行はパーティの酔っ払いのように、バカみたいにお金を刷っている。

酔っ払いが輪転機を回すことで発生するつけとは、やはりインフレだろう。
ダモダラン教授は、足元のインフレ昂進が一過性のものか否かは不透明と考えている。
逆にいえば、FRBのように一過性と決めつけることはできないと考えている。
インフレの可能性を無視できないなら、それに対するヘッジ手段は何なのか。
教授は分散投資を奨めているが、そこで用いるべきインフレ・ヘッジの資産クラスとは何が良いのだろう。

大手テクノロジー企業は、インフレに対処するのに最善の備えができている。
製造業やエクソンモービルには行かない。
世界のFacebook・Google・Appleのような企業の方がはるかに目的にかなう。
彼らは莫大なキャッシュフローを稼ぎ、価格決定力も有している。


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