投資

ウィルスの影響で一番注目すべきこと:アスワス・ダモダラン
2020年2月25日

アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が24日の米市場急落を受け、投資家が注目すべきポイントを話している。


「今日はとても秩序だって調整した。
始まりから3%低下した。
典型的なパニックの日ではない。」

ダモダラン教授がCNBCで、ダウ平均が1,000ポイント超下げた24日の米国株市場についてコメントした。
教授は、急落をパニックとは考えず、市場による株価の「再評価」と捉えた。
パニックではなく、ファンダメンタルズによる下落だという。
つまり、割高圏にあった米国株市場が、新型コロナウィルスを1つの機会として、秩序を保ちつつ調整したという解説だ。

ただし、ダモダラン教授は、今後、秩序的でなくなる可能性を否定したわけではない。
状況が「明日には変わるかもしれない」ことを認めている。
教授は、今期の企業収益の悪化は避けられないと指摘しつつ、注目点はもっと先の企業業績にあると話す。

キャッシュフローや成長に影響する、3%ではなくもっと大きな下落を説明しうるシナリオがありうるからだ。
・・・
私が見ているのは削減、自社株買い、配当など、将来のキャッシュフローが細る長期的な恐怖を反映するものだ。

ダモダラン教授は今期のE(利益)で計算するPERには意味がないという。
今期のEの悪化は間違いないためだ。
PERで割高・割安を図りたいなら、来期以降のEを用いるように諭す。
つまり、フォワード・ルッキングに見るべきなのであり、そこで効いてくるのが「削減、自社株買い、配当」というわけだ。

自身も活発に株式売買を行っているダモダラン教授は、自身の取り組みを明かしている。

私は秩序だって株価が下落している時でもバーゲンを探している。
私はバーゲンを探すのと同時に、自分のポートフォリオの中からそろそろ手放すべきものを売却している。

ダモダラン教授は日頃から銘柄入れ替えに勤しんでいるようだ。
教授からすれば、この程度の下げはむしろチャンスなのかもしれない。
実際、コロナウィルスについても、その影響が一時的なものに留まる可能性に触れている。

「過去のウィルスでは利益は減少したが、通常は元に戻った。
ペントアップ・デマンドがあったためだ。」

今年の業績への悪影響ばかりに目をやっても意味がない。
それはなるようになるし、一過性のことだ。
本当の問題は、コロナウィルスの問題が企業の長期的業容に影響を及ぼすのかだろう。
企業価値とは将来生まれるキャッシュフローの総和である。
一番近い1年分だけでなく、その後に半永久的に続く分を見るべきなのだ。

ダモダラン教授はその点を強調している。

問題は今年の利益がどうなるかではない。
議論の余地なく、今年の利益は影響を受ける。
本当の問題は、他に発生する損害によって長期的に何が起こるのかだ。
それこそ注目すべき点だ。


-投資
-, ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。