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【短信】ウィドウメーカー・トレードが儲かるかも:ケネス・ロゴフ

IMFチーフ・エコノミストも務めたケネス・ロゴフ ハーバード大学教授が、日本経済の復活、金融政策の正常化が及ぼす世界経済への影響を示唆している。


IMFは2023年の日本経済の成長率を1.4%と予想している。
過去14年間人口が減少し続けてきた国としては印象的な数字だ。

ロゴフ教授がProject Syndicateで、日本の経済、金融政策について書いている。
足下の日本経済が強いとする一方で、インフレの高止まりや利上げにともなうリスクを心配材料に挙げている。

ロゴフ教授は、日銀が金融政策正常化に慎重な理由として財政の圧迫、債券を保有する銀行への悪影響を挙げた。
いずれも重大な観点だが、インフレが高止まりするようなら、日銀は動かざるをえなくなると見る。
過去2年、世界中でインフレが上昇し、実質金利も上昇する中、世界の金融市場に組み込まれている日本が例外であり続けるのは難しいという。

「『ウィドウメーカー・トレード』が儲かるようになるかもしれない。」

これまで多くの投機家が試み失敗してきた日本国債売りが実る時代が来るかもしれないというのだ。
そして、これは日本だけの話ではない。
皮肉なことに、日本の復活は日本や世界にとって裏腹の影響を与えるかもしれないと示唆している。

衰退を食い止めるための政策は、金利の正常化の必要性をただただ前倒しする。
ほとんどの厳しい金融危機は、しばしば最も予期されていなかった場所で起こった。
世界経済にとって日本の再上昇はよいことだが、日本の金利の再上昇は大きなリスクになりうる。


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