イールド・カーブ長短逆転は杞憂:モハメド・エラリアン

Allianz首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、右に左に振れる市場心理に警告している。
まだ第1四半期のうちに、FRBの年内ハト派転換を織り込むのは行き過ぎだという。


経済、イールド・カーブの形と動きの決定要因を見ると、これは景気後退の兆しではない。
これは市場の極めて特殊なテクニカル上の要因であり、米経済で起こっていることというより欧州やFRBで起こっていることの表れというべきだ。
米経済は、大きな政策上の誤りがない限り、今年2.5-3.0%の成長に向かっている。

エラリアン氏がCNBCで、イールド・カーブの長短逆転に対する心配は杞憂にすぎないと話した。
市場がここまで心配するのは、これが2007年以降で初めて起こった不吉なジンクスだったからだと解説した。
本来目を向けるべき米経済のファンダメンタルズは引き続き良好だとし、米経済への強気な見方を示した。

  • 労働市場: 賃金は上昇し、労働参加も増えている。
  • 企業の投資: 今年・来年と増勢。
  • 財政政策: 減税の効果は剥落するが、歳出は増えている。

これらの要因から、エラリアン氏は、米経済のモメンタムが継続していると見ている。


「政策上の誤りがなければ、今年・来年について景気後退は極めて考えにくい。
みんな今の景気拡大が史上2番目に長い拡大で、もうすぐ最長になると言っているが、大きな拡大ではない。」

エラリアン氏は、景気拡大が長く続いたから終わるものではないと言いたいのだ。
長くとも小幅な拡大は、拡大の寿命を長くすると考えている。

もっとも、エラリアン氏は、諸手を挙げて景気拡大を喜んでいるわけではない。
不確実な要因も多く存在することを認めている。
まず、過去3か月で起こったように「政策上の誤り」が起こる可能性がある。
そして、それに対し市場心理が過剰に反応してしまうことが心配だという。

「私の心配は、昨年FRBが利上げを示唆し利上げした時に、市場が一方方向に大きく振れた点だ。
・・・
そして今、反対側に振れた。」

昨年10月初めまでのFRBのタカ派的なガイダンスは、米市場を混乱に陥れた。
今年に入りFRBはハト派に急旋回し、市場は再び楽観モードに入った。
そこで、イールド・カーブ逆転が起こり、市場はどちらに振れるか戸惑いを見せている。

方向性を転換しうるのはFRBのスタンスだけではない。
経済情勢にも不確実な要素が多い。

利上げしろという米経済とするなという世界経済の間をFRBがどうとりもつかもわからない。
私は、年の早いうちは政策金利とバランスシートの両方について選択肢が残されていると考えるべきだと思う。


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