イールド・カーブ逆転から景気後退への伝達経路:ロバート・シラー

ロバート・シラー教授が、米イールド・カーブの長短逆転に対する市場の受け止めについて過剰反応だと指摘している。
そういいながらも、イールド・カーブ逆転には間接的なリスクもあると解説した。


「噂話だったのが、実際に逆転すると突然増幅した。
でも、たった1 bpの逆転で大きくもない。
たった1つの指標に対しての過剰反応だ。」

シラー教授がBloombergで、イールド・カーブの長短逆転は騒がれすぎていると語った。
3か月ものと10年ものの金利がわずかに逆転し、これが2007年以来のことであったため市場関係者が騒いでいる。
イールド・カーブが逆転すれば金融機関の利ざやが圧迫される点についてはシラー教授も認めている。
これは信用創造を阻害する可能性があり、景気にマイナス要因となりうるのは事実だろう。
しかし、シラー教授によれば、イールド・カーブ逆転が景気後退を予見する力はやや低下しているという。
この経験則が1957年以降の景気後退で有効だったとファクトを述べた上で、それは将来を約束するものではないと説明した。
データ・マイニングの中で見いだされた相関にすぎず、因果関係ではない可能性もあるからだ。

「たくさんある指標の1つだ。
・・・
たくさんの景気後退があった。
景気後退の予測においてよくあたる指標を見つけることができるだろう。
でも、それが将来にもあてはまるとは限らない。」

逆転したイールド・カーブ自体のもつ予見力は思うほどには高くないのかもしれない。
しかし、それだけでこの問題は終わらない。
シラー教授は、社会学者ロバート・K・マートンが1940年代に大恐慌の分析において用いた「自己実現的な予言」という言葉を引き、現在の危うい状況を暗示している。

1929年に株式市場がクラッシュすると、ニュース・メディアが活躍した。
彼らは自殺が増えた話を伝えた。
逆転したイールド・カーブへの注目度合いは驚くほどだ。
みんなこれが奇跡(の指標)だと考えている。


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