イールドカーブ順ザヤ化までFRBは利下げすべき:ジェレミー・シーゲル

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、さらなる利下げを主張した。
教授の頭には、イールド・カーブの逆転解消しかないようにさえ見える。


「50 bp引き下げを主張したブラード セントルイス連銀総裁に完全に賛成だ。
イールド・カーブを正常化しなければいけない。
FOMCの予想には少しがっかりした。」

シーゲル教授がCNBCでFOMCを振り返った。
18日のFOMCではFF金利の誘導目標を25 bp引き下げ1.75-2.00%とすることが決定された。
幅こそ25 bpだったが、利下げは利下げだし、市場予想通りの結果だった。
シーゲル教授の失望はFOMCメンバーによるFF金利予想、いわゆるドット・チャートにある。
年末の同チャートを見ると、メンバー17名のうち
・5名が今回の利下げに反対
・5名が今回の利下げで打ち止め
・7名があと1回の利下げ
と読み取れる。
パウエル議長は年内あと1回の利下げを実現するために、FOMC内の調整を行わなければいけないことになる。


(イールド・カーブの)期間構造を見ると、FF金利と10年金利でまだ逆転している。
FF金利はまだ少なくとも25 bp引き下げないといけない。

シーゲル教授のイールド・カーブへの執着ぶりは徹底している。
イールド・カーブ長短逆転と景気後退の間には何らかの関係、とりわけ因果関係が証明されているわけではない。
極めてよく当たる経験則だから警戒するのは当然だ。
しかし、因果関係であるかどうかは疑問であり、もしも因果関係でないなら、イールド・カーブをいじっても景気後退を回避することはできない。
シーゲル教授はそれでも、何が何でも逆転を解消すべきと主張し続けている。

「6-18か月後には、本来景気後退となったかもしれない大きな鈍化がやってくるだろう。
結果的には景気後退とはならないだろう。
しかし、FRBが利下げしなければ、より大きな鈍化になる。」

言うなれば、拡張的政策を講じないと悪い結果が生じますよということだ。
ある種のリスク・マネジメントだろう。
興味深いのは、世の中ではこうした考えがとても受け入れられやすいことだ。
決して、拡張的政策を講じると悪い結果が生じますよと言っても、聞き入れられないのに、である。


 - 海外経済