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イールドカーブ長短逆転が一般的に:ジェレミー・シーゲル
2021年12月5日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授は、FRBがタカ派寄りにスタンスを変更しつつあるのを受け、イールドカーブにかかわる投資のトピックを多く話している。


「今朝の雇用統計から話すと、これは強い結果だった。・・・
人々は『自分の仕事』に戻っている。
単発の仕事をしたり、会社を作ったりして、でき上った大会社には戻っていない。」

シーゲル教授がウォートン・ビジネス・ラジオで、3日に発表された米雇用統計についてコメントした。

米労働省発表の11月の雇用統計は、非農業部門雇用者数こそ市場予想を大きく下回ったものの、失業率は大きく改善した。

  • 非農業部門雇用者数の前月比: 210千人増(市場予想550千人増)
  • 失業率: 4.2%(前月比0.4%ポイント改善、市場予想4.5%)
  • 平均時給: 前月比0.3%増、前年同月比4.8%増

この結果を受けて、シーゲル教授は今後のFRB金融政策を予想する。

12月15日(FOMC)までにとてもショッキングなことでもないかぎり、間違いなく(金融政策正常化は)加速する。
15日の記者会見は、ジェローム・パウエルFRB議長の会見の中で最もタカ派的なものとなるだろう。

シーゲル教授はこれまで長い間、インフレが昂進すると予想し、一貫してFRBの動きが遅すぎると批判してきた。
「ついにFRBが方向転換した」と教授が漏らしたとおり、ようやくFRBはインフレの危険を認めた形だ。
今回シーゲル教授は金利環境の変化に根差した考えをいくつか述べている。

  • テクノロジー株の不振: 中長期的な金利上昇が意識されている。
  • イールドカーブ: 長短逆転し、過去に比べ一般的になると予想。
    長期金利が2%程度、短期金利が4%程度という可能性もある。
    景気後退の先行指標としての確度は下がり、過去ほど恐れる必要はない。
  • 短期金利4%予想: テイラー・ルールが示すFF金利は6%。
    低い実質金利を考えると6%は過大。
  • 長期金利: ヘッジのニーズが大きく、上昇しにくい。
    「10年債にばかり気を取られてはいけない。」

    • 投資行動:「貯蓄預金の金利が4-5%になれば、ミーム株、タダのお金などという議論はみんな吹っ飛ぶ。」
    • 金融株:「金融機関は10年金利より短期金利の上昇を必要としている。」

金融株については少し注意が必要だろう。
金利上昇局面ではシーゲル教授の言うような動的な関係になる。
一方、金利が動かない局面では、やはり順イールドの方が有利となる静的な状況になる。

シーゲル教授は動的なしくみを説明する。

スプレッドを決めるのは短期金利だ。
預金金利はほぼゼロで上昇はとてもゆっくり、貸出金利はほぼFF金利と同時に上昇する。
金融機関は短期金利上昇から良い儲けを得られるので、長期金利ばかり注目すべきでない。


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