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インフレ/デフレでのヘッジの主役:ジェレミー・シーゲル
2020年10月7日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、米国株市場に強気のスタンスを継続する一方、リスク・ヘッジの質問にも答えている。


FRBは、インフレが2%を大きく超えるまで、低金利をとても長く維持すると予想している。・・・
長期金利は上昇するが、インフレよりペースが遅くなるだろう。
インフレが3-4%になるとしたら、長期金利は1.5-2.0%といった感じだ。

シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、強気予想の前提となる金利予想を繰り返した。
教授は以前から、FRBが長くFF金利を低位に据え置くと予想してきた。
一方で、長期金利は直接にコントロールせず、インフレ上昇とともに上昇するという。
FF金利を低位に維持することで長期金利上昇のペースは抑制させると見ているのだろう。

長期金利がインフレを下回る状況は投資家にとっては過酷だ。
長期国債に投資をしても(さらなる金利低下がない限り)購買力は失われる。
現金や債券には不利な状況だ。
一方、シーゲル教授は、従来通り「穏やかなインフレは株に有利」と説明する。
最終的にはFRBがブレーキを踏むだろうとしながら、それまでには長い時間があると読んでいる。

シーゲル教授は投資家に問いかける。

投資家は利回り0%の現金または1-2%の債券に留まることもできるが、3-4%のインフレと金利上昇で、インフレに負けてしまう。
株式の短期的なボラティリティ(回避)のためにそのコストを払いたいか?

シーゲル教授は基本的に長期投資を推奨してきた。
長期投資は短期のリスクを平準化してくれる。
株式を長く持てばボラティリティは平準化できるのに、それでも株式を避けるべきなのか。
債券に投資して購買力を失うべきなのか。
ましてや現金で持つなら失うものは大きい。

シーゲル教授は従来の債券の代わりになる投資先として(これも従来通り)配当株を推奨している。

「配当株は安全で、裏付けがあり、2-3%の(配当)利回りがあり、景気回復や第2波においてさえも問題が起こらない。
私は、質の高い配当株こそ保守的な投資と考えている。
最も安全な投資だ。
購買力も守れる。
(配当)利回りは価格とともに上昇し、キャッシュフローも価格とともに上昇する。」

ずいぶんと隠れた前提のある主張になっているが、趣旨は理解できる。
一方、質問者の意図は、短期・中期的な株価下落への備えにあったのだろうから、食い違いがあるのも否めない。

シーゲル教授はヘッジや分散という角度から、コモディティ投資の有効性について解説している。
デフレなら米国債、インフレならコモディティが有効であると話している。

1960-70年代の世界を思い出すと、ひどいインフレで市場が暴落し、コモディティは素晴らしいヘッジ手段だった。
最近10年はデフレがひどい。・・・
コモディティは1970-80年代素晴らしい分散手段だったが、今はひどい分散手段に転換している。
インフレが戻るにつれ(コモディティは)悪い分散手段から少なくとも相関ゼロ、もしかしたら分散のための相関が正になるだろう。


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