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インフレ遷移初期の投資選別基準:モルガン・スタンレー
2021年4月22日

モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は、インフレ的な経済への構造変化が起こっているとし、その初期における株式銘柄の選別基準について提案している。


債券市場は中央銀行の行動により苦しめられている。
株式市場は距離をおけており、現実を反映している。
現実とは、インフレ上昇、名目GDP成長率上昇、実質GDP成長率上昇だ。

ウィルソン氏がBloombergで、経済・市場の構造変化の到来を主張した。
同氏は、この変化を一過性でなく構造的と考えている。
なおさら、投資対象の選別基準を変えるべきとなる。

バリューとはそれを特徴づける1つの方法だ。
名目GDP成長率上昇の恩恵を受ける銘柄を買うことだ:
銀行、素材、鉱山、エネルギー、工業だ。

ウィルソン氏は、長らく米市場で人気だったグロース株には否定的だ。
「デュレーションの長いグロース株」は対象にならないという。
(ディレーションが短いグロース株というのは考えにくいから、グロース株全般に前向きでないのだろう。)

「これらは高インフレの世界で値付けがされていない。
インフレがないか低く、金利も長い間低い、私たちが抜け出した世界で値付けがされている。
これは私たちがこれから生きる世界ではない。」

ウィルソン氏の考えるストーリーはあくまで構造変化をともなうストーリーであり、同氏はそれを「インフレへの遷移」と呼んでいる。
この変化の初期段階では、中央銀行の政策により大きな金利上昇は起こらないという。
一方、インフレは止めようがないため、経済主体にとって問題となるのは、金利上昇でなくコスト増だという。

「パンデミックとそれへの対応の性質上、多くの企業が再始動の準備ができていない。
サプライチェーンは壊れ、労働力も十分でない。
私たちは、すべての生産においてグローバル化・アウトソースする上でJITの在庫サービスに慣れ切ってしまっている。
回復初期の本当にタイトな世界では、これはよいあり方ではないだろう。」

そこで現在米市場が注目する価格決定力の話になる。
(このところ急にミクロの話が盛んになっている。
ファクターといった大きな括りでは捉えきれない差に注目が集まっている。)
個々の企業の供給元や顧客に対する力関係がマージンに効いてくる。

ウィルソン氏は、その優劣で銘柄を選別すべきと提案している。

私たちは高クォリティ企業と呼んでいる。
サプライチェーンの管理方法を知っており、供給元に対する支配力、顧客に対する価格決定力を持っている。


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