海外経済

インフレ退治の時間はまだ残っているが・・・:ケネス・ロゴフ
2021年12月18日

IMFチーフ・エコノミストも務めたケネス・ロゴフ ハーバード大学教授は、米インフレへの対処はまだ可能だが、新興国市場でのハプニングは待ったなしの状況にあると話している。


インフレとは徐々に変化するものなんだ。
とても『徐々に』とは感じられないかもしれないが、1980-90年代のラテンアメリカやロシアの大きなハイパーインフレを振り返ると、立ち上がるのにしばらく時間がかかり、一晩で起こったわけじゃない。
それでも対処しないといけない。

ロゴフ教授がBloombergでインフレについての経験則を述べた。
インフレが制御できなくなるまでには時間がかかるものだという。

ロゴフ教授はカーメン・ラインハート教授との共著『国家は破綻する』で有名。
ラインハート教授は現在、世界銀行の副総裁兼チーフ・エコノミストを務めている。
2人とも国際金融における第1人者というわけだ。
そのロゴフ教授が、パンデミック発生時には先行きの財政など考えずにウィルスとの闘いにまず勝たなければいけないと主張した。
勝利がなければ未来はないし、そのために日頃から財政再建に努めておくべきとの考えだった。
その教授が、そろそろリスク面に目を向けだしたようだ。

私はインフレについては行動する時間がまだ残されていると思う。
だからといって、長く待ったからといって、それを巻き戻すのにより長くかからない、より不快にならないというわけじゃない。

FRBがインフレへの対処で大きく出遅れたとの批判は少なくない。
事実だけを見れば、その通りなのだろう。
では、手遅れなのかといえば、そうでもあるまい。
ロゴフ教授もそう考える1人のようだ。
ただし、まだ時間があるからといって先延ばしにすることが望ましいとも言っていない。

ロゴフ教授はもっと深刻なリスクを警戒している。
自国の話ではないが、ほぼ回避が不可能といったトーンの話し方をしている。

危機、新たな銀行危機、企業債務危機ははるかに突然にやってくるものだ。
私は、新興国市場と途上国経済は今事故が起こるのを待っている状況だと思う。
FRBが出遅れているという話をしたが、IMFはもっとそうだろう。


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