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インフレ懸念は真摯に受け止めている:ポール・クルーグマン
2021年5月11日

ポール・クルーグマン教授が、インフレ論争についてCNNのつまらない質問に答えさせられて、少しかわいそうだ。


短期金利がゼロの環境では、お金を使おうというインセンティブがあまりなくなり、別の形の貯蓄に向かうだけになる。
過去15年間、貨幣の量をインフレのドライバーとする考えは完全に死んだ。
すべての貨幣集計量がインフレ上昇を伴うことなく急拡大した。
金利が極めて低く、基本的にこの状況では貨幣を増発すれば流通速度が低下したためだ。

クルーグマン教授がCNNで、流動性の罠貨幣数量説について話した。
教授が言いたいのは、単純にマネタリーベースやマネーサプライが増大することでインフレが起こると心配する必要はないということだ。

講じられている刺激策がいくらかインフレを引き起こすのに十分な規模かもしれないとの懸念について、真摯に受け止めている。
M2、M1、ハイパワードマネー等々を見て、それをインフレ的と言うのはピントが外れている。
長い間そういう時代ではなくなっているからだ。

もっとも、インフレを心配する人たちも、単純に貨幣数量説を根拠にする人は皆無だ。
特に、マネタリーベース拡大が物価を押し上げないことは過去10年あまり世界中で起こった現実だからだ。
一方、M1やM2については、それが消費・投資に向かうことでインフレ圧力となる可能性はある。
あるいは、こうした貨幣増発が、かつてクルーグマン教授自身が唱えた「無責任になる約束」を実現し、貨幣に対する信認や期待を変化させるかもしれない。
その可能性を認識しているから、クルーグマン教授も「真摯に受け止めている」のだろう。
ローレンス・サマーズ氏との論争等が念頭にあるはずだ。

さて、CNNの質問の本当の狙いはもっとゲスなところにあったようだ。
(それが今のアメリカ人の関心事を反映しているのだろう。)
続いて、「何か暗号資産を買おうと変心させる出来事はあったか」と尋ねている。
クルーグマン教授の反応は《まじめに話してきて損した》といった感じだ。

は~
今でも(暗号資産は)リバタリアンの愚かさとテクノロジー・バブルの組み合わせに思える。
ごめんよ。
価格が高すぎる。


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