インフレを心配しないのは典型的パターン:アラン・グリーンスパン

アラン・グリーンスパン元FRB議長が、財政悪化の末路を予言している。
過去のインフレ昂進期の前には必ずリスクに鈍感な人々の心理が見られたのだという。


「もしも経済活動を大きく低下させたいなら、そういうことを提案するかもね。
おそらくもっとはっきり言うべきだ。
それはひどい間違いだ。」

アレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員が高所得者の限界税率を70%にすべきと提言したことについてコメントを求められ、グリーンスパン氏がCNBCで語った。
この最年少議員は民主党の中でも最左派の人物。
そもそも実現性がないこともあって、グリーンスパン氏も問題外と笑ってすまそうとした。
しかし、すぐに考え直し、正面から切って捨てた。
重大な欠陥のある提言だったからだ。

話は、同様の問題を抱えるのに現実のものとなった減税に及ぶ。
昨年末の米大統領・共和党の大規模恒久減税だ。

「最近の米国の減税は1990年代初めのアイルランドを参考にしたものだろう。
主にその減税によって、何を見るかにもよるが、アイルランドは平均的な経済から世界1-2の経済に変貌した。
・・・
アイルランドのパターンはすばらしい減税法案だと思うが、私が同意できないのはそのための財源が何も示されていないことだ。」


グリーンスパン氏はFRB議長時代から一貫して財政再建を政治に求めてきた。
波こそあれ、趨勢的にはそれは実現されなかった。
債務が増えれば、経済がそれに耐えるために、逆算のように金利を下げなければならなくなる。
米金利は2016年まで34年にわたり低下局面にあった。
それが反転を始めたかもしれない今、グリーンスパン氏の危機感は高まる。

政界か否かにかかわらず、今起こっていることのインパクト、つまりインフレ昂進を最後に被るまでは誰も気にしないんだ。
好ましいように見えたり、インフレが経済を羽交い絞めにするまで財政赤字を気にかけなかったりするのは、典型的なパターンなんだ。

金融政策のハト派は一貫して言い続けている。
《インフレのリスクなどない。デフレこそリスクだ。》
近時を見る限りその主張は当たっているようにも見える。
しかし、グリーンスパン氏によれば、1970年代のスタグフレーションが再来する兆しが見えているという。

グリーンスパン氏は、今の米国と社会保障負担の面で似た例としてかつてのスウェーデンを挙げた。

「スウェーデンの金利は一時500%まで上がった。
その後、経済全体をリシャッフルし、今では安定した制度を築いた。
予算は適切な財源を有し、財政赤字対GDP比率は半減した。」

1992年8月、スウェーデンの中央銀行リクス・バンクは通貨クローナ防衛を理由に政策金利を500%に引き上げた。
それでも防衛はかなわず、結局クローナは変動にゆだねざるを得なかった。

グリーンスパン氏は米国株の水準について尋ねられ、自身のオフィスにおけるPER評価のシステムについて言及している。
そのシステムによると「大きくではないが、いまだ市場は少し割高」だという。


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