海外経済

インフレは根付いた、今後効いてくる:ジェレミー・シーゲル

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授は、いくらか明るい兆しを認めながらも、米インフレがしばらく高止まりし問題であり続けるとの見通しを示した。


「まだ物価指数に反映されていないインフレがたくさんある。
だから、あまりいい数字は出てこないだろう。」

シーゲル教授がCNBCで、米CPIの見通しを語った。
住居費などラグをともなって効いてくる項目がCPI低下の妨げになるという見方だ。

11日発表のCPI上昇率は

  • 総合: 前年同月比8.3%、前月比0.3%(市場予想0.2%)
  • コア: 同6.2%、0.6%(0.4%)

と、市場予想を上回った。
ベース効果が剥落し低下に向かうとの予想は裏切られ、高止まりを心配させる結果となった。
この結果もあり、11日の米3株価指数はいずれも下げて引けている。

シーゲル教授は、FRBがインフレ退治に対する本気度を見せるべきだという。

「FRBはこう言うべきだ。
『100 bpの利上げをするかもしれない。
私たちは本当に真剣にこのインフレの抑制に取り組んでいる。』
初めは市場は売られるだろうが、その後上昇し、こう言うはずだ。
『中央銀行がドルを守ってくれている。
それは必要なことだ。』」

もっとも、シーゲル教授は、すでにFRBがあまりにも出遅れてしまったと考えている。
FOMCごとの利上げ幅の割り振りを変えるだけでは事態の収拾はつかないと見ている。
金融政策の効果は、金融調整後12-18か月後に表れるためだ。
最近2か月マネーサプライの伸びが鈍化したものの、まだ楽観はできないという。

米インフレがここまで昂進してしまったのはある意味必然だった。
CPIが2%目標を達成しそうになった時、FRBは大きな方針転換をした。
先を予想して金融調整するのでなく、結果(労働市場と物価)を見て金融調整を行うと宣言したのだ。
かつて先を予想していたのは、金融調節の効果に12-18か月のラグがあるためだった。
それを放棄し、結果が起こってから金融調節を行うようになった。
単純に考えても、FRBが12-18か月出遅れるのは必然であった。

シーゲル教授の見通しは厳しい。

米国は出遅れた。
インフレが根付いており、それが今後6、9、12か月で効いてくる。


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