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インフレは予想以上に進んでいる:ローレンス・サマーズ
2021年5月17日

ローレンス・サマーズ元財務長官(現ハーバード大学教授)が、足元のインフレを一過性とするFRBの姿勢について懸念を述べている。


誰にもわからないし、まだ知るには早すぎるし、予想者の的中率は良くないものだ。
しかし、平均時給、生産者物価、消費者物価、労働者不足の直接的指標、インフレ期待、インフレ期待サーベイのどれを見ても、私はインフレを心配する側だった。
それが、私の予想よりはるかに速く、早く進んでいる。
先行きに神経を使うべきだ。

サマーズ氏がBloombergで、米インフレの先行きについて予断を許さない状況にあると指摘している。
同氏はインフレ上昇懸念を強めているようだが、あくまで両方の可能性を視野に入れるべきと強調している。

どの月にも急速に上昇するCPIの要素があるのは当然のことだ。
それこそ、カーター政権のエコノミストが高インフレの最中言ったことだった。

サマーズ氏は、1970年代の民主党政権の失敗を回想し、インフレを一過性と見る政策決定者の主張が当時と似ていると心配する。
同氏はいくつかインフレ関連指標で注視すべき点を説明している。

  • コア指数が総合指数より速く上昇: 基調的ペースが加速しているのかも。
  • 住宅価格が18%上昇: CPI算入の帰属家賃は2%程度の上昇にすぎない。
    「みんなが18%の住宅価格上昇を目の当たりにしたら、遠くないうちに家賃が大きく上がると考えるようになるだろう。
    私は数字の最大の歪みは住宅にかかわるものと考えている。」
  • 中古車価格は一過性: 半導体不足で新車が作れず、中古車価格が上昇しているが、これはトレンドではない。
    ただし、指数の数%にすぎない品目。
  • 医療費が横ばい: いつか上昇し始めるだろう。
    「私は、医療費の価格がゼロに留まるとは信じないし、医療費がCPIに占める構成比は中古車価格よりはるかに大きい。」
  • コアCPIの前月比0.9%上昇は年率換算で11%:
    「だから、たくさんの一過性要因が存在し、インフレが4%レンジに上昇し極度に深刻な問題となる可能性がある。
    こうした数字を無視すべきではない。」
  • 将来の物価上昇要因: 平均時給、PPIなどが加速しているように見える。

サマーズ氏はインフレを心配する多くの理由を挙げた上で、それでも将来を単線的に予想すべきでないと慎重だ。
政策策定にかかわる姿勢について信念を述べている。
これは、政策だけでなく、投資ほか、多くの活動にあてはまるものかもしれない。

すべてのことが起こりえ、FRBが正しいのかもしれない。
しかし、私は正しい戦略を用いる政府を信頼してきた。
正しい戦略とは、最善を願い、最悪のために計画することだ。
FRBはとても安楽なシナリオのために計画しているように見える。


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