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インフレはクラッシュに十分なのに:ジェレミー・グランサム
2021年11月12日

バブルの研究家として有名なGMOのジェレミー・グランサム氏は、現在の高インフレが市場をクラッシュさせない理由を解説している。


(10月のCPIは)1925年以降で見ても、私の知るそれ以前で見ても、市場をクラッシュさせるのに十分だった。・・・
しかし、今回はあまりにも完璧にFRBが信頼を得ており、FRBがインフレを一過性と言えば、みんな信じるんだ。

グランサム氏がBloombergで、高インフレのニュースが株価を目立って押し下げない現状を解説した。

10日発表の米CPI統計は前年同月比6.2%上昇、コア指数は同4.6%上昇だった。
それぞれ1990年10月、1991年8月以来の高水準。
米コア指数とは、CPIの項目からエネルギーと食品を除いて計算された指数だ。
目下の大きなインフレ要因と言われているエネルギーを除いても4.6%の上昇であり、バイデン大統領がインフレ対策を最重要課題に挙げるのも無理はない。
ところが、大統領の左側に控える人たちは、FRB議長の首を挿げ替えて金融緩和を継続させようとしている。

インフレが高まればFRBは金融を引き締める、というのが市場の理解であり、中央銀行の約束だった。
それはまた非伝統的で極端な金融政策を講じる際の前提だったはずだが、必ずしも守られていない。
今はむしろ中央銀行が《約束を守らない》と約束しているような状況だ。

グランサム氏は、金融緩和側にバイアスを持つ中央銀行がバブルとその崩壊を生み出してきたと考えている。
2000年のドットコム・バブル、2007年住宅バブル、今回の一例はミーム株の「狂気」だ。

「FRBは学んできただろうか?・・・
ポール・ボルカー以降、FRBは正しいことをしていない。」

FRBが正しいことをすれば、グランサム氏のような投資家はきっとトントン拍子にリターンを得るのだろう。
しかし、FRBは正しいことをしていないらしい。
一方、同氏はバブルが熟すのを待たない方針だ。
すでに昨年5月には株式エクスポージャーを減らし始めている。
今年初めには数か月内のバブル崩壊を予想し、いつものようにフライングに終わっている。
旗艦ファンドの今年の年初来リターンは2.2%と、20%をゆうに超えるベンチマークに大きく出遅れている。
リスク・オフを徹底しているのだから、リターンが水面に近いのは当然だ。
しかし、投資家はそれでは満足しない。
GMOは昨年から大きな資金引き出しにあっている。

Bloomberg記事の中で1点気になる部分があった。

こんなことは見たことがない。・・・
以前の強気相場はいつも低インフレだったのに。

ブリッジウォーター・アソシエイツのグレッグ・ジェンセン氏によれば、今回の不均衡の解決は、久しぶりにインフレ的なものになるかもしれないという。


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