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インフレの脅威が意識されつつある:ジェレミー・シーゲル

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、株高を支える流動性供給がいつまで続くかについてイメージを語っている。


市場は現在、私たちが8-9か月ほど前に予想した通りの展開をしている。
重要なのはインフレの脅威であり、ついに注目され始めている。

シーゲル教授がウォートン・ビジネス・ラジオで、パンデミック開始時から貫いてきた強気シナリオに自信を示した。
教授は従来から、株価が先(パンデミック後)を見ると指摘、さらに政策により注入されたマネーサプライがリスク資産を押し上げると予想してきた。
世間ではバブルが囁かれているが、シーゲル教授からすれば1年ほど前から予想された展開なのだ。

バイデンの刺激策はまだ議会を通過していないが、たぶん少し削られて通過するだろう。
さらなる刺激策でさらなるインフレとなろう。
これは株式にとっては素晴らしく、債券にとっては悲惨なことで、これが実現しつつある。

一方、市場を押し上げるマネーサプライの源泉は財政・金融政策だ。
当座、大幅な増税等が行われるとは考えられず、マネーサプライを縮小させうるのは金融政策ということになる。
FRBに金融引き締めを促すのは通常インフレだ。

シーゲル教授は、10年金利、ブレークイーブン・インフレ率(BEI)、1年先の期待インフレのいずれもが上昇している点を指摘する。
特にBEIは9年来の高値、1年先のインフレは10年来の高値に達している。

「これが示すのは、インフレ、CPIの発表が、起こってきたこととして市場からより注目を受けるということだ。
1月についてインフレ発表が予想より低かった時、大きな上昇が見られた。」

市場はパーティを続けながらも、たくましくも出口への注意を怠らない。
1月がディスインフレなら金融緩和がより長く継続すると見て好感する。
これは、ディスインフレを悪いことと見る見方からすれば逆転の構図だろう。
しかし、それにももっともな理由があるのだ。

足踏みする金、好調なビットコインについて話題が及ぶと、シーゲル教授は金が「老人の資産」とされ「ゴミ箱行き」になっている一方、ビットコインには「若者の想像」がついているとコメントした。
その上で、ビットコインに対して辛口の評価を与えている。

「ビットコインは価値の保存手段にはなりうるかもしれないが、取引上の便利さはない。
どう価格を維持すればよいか課題になっている。
たぶん5万ドルまで行くだろうし、もしかしたら10万ドルまで急騰するかもしれない。・・・
そこで遊びたいならどうぞ。」

シーゲル教授はビットコインのゲームには関心がなく、何か判断するつもりもないようだ。
教授の興味は変わらず株式・債券などメインストリームの投資にある。
教授は、FRBの流動性供給がいつまで続くか尋ねられ、インフレが2.5%ぐらいまで行けば政策変更が検討されるかもしれないと話した。
実際、米経済にはより高いインフレが許容される理由がある。
それは、インフレと並べて評価すべき賃金上昇だ。

ところで、賃金は極めて好調で、上げ続けており、誰も文句を言わない。・・・
明らかに、2%の10年金利が強い市場の中で4%の住宅ローン金利につながっても、住宅市場をストップさせたりしない。
『金利が上昇しており、防ぎ始めなければいけない』とみんなが叫び始めるまで何も始まることはないだろう。
私はまだそこまでとても遠いと考えている。


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