海外経済 国内経済 投資

インフレの居どころが変わる:マーク・ファーバー
2020年1月31日

著名投資家マーク・ファーバー氏が、いつか起こるインフレの中身の変化について予想している。


「FRBはクランチ対策チームを擁している。・・・
私はFRBが株式市場に介入した日もあったのではないかと考えている。
証明はできないが、市場の動きを見ていて、そうであってもおかしくないと思った。」

ファーバー氏があるインタビューで珍しく根も葉もない推測を明言した。
キワモノ扱いされることも多い同氏だが、いつも話している内容は(表現が直接的すぎる面はあるにせよ)それなりにまともなことが多い。
ところがこの日は到底ありそうにない陰謀論を口にしたのだ。
何がそうさせたのかはわからない。
1つ言えるとすれば、今回のインタビュワーがファーバー氏よりもはるかに終末論者的であったことだ。
このインタビューで、ファーバー氏はむしろ抑える側に回っている。
とはいえ、同氏の売りはやはり終末論。
今回もそこは欠かさない。

「市場は完全な自由市場ではない。
・・・中央計画当局、ほとんどはFRB、または財務省によって操作・誘導されている。
この環境では、それがどれだけ続くかはわからないが、悪い終わり方をするとの仮定が成り立つ。」

いつもなら《悪い終わり方をする》と言い切るところだが、この日は「仮定が成り立つ」と和らげている。
では「悪い終わり方」とは、例えばどんな悪さなのか。

過去6か月の教訓は、文字通り流動性不足が起こり、兆候がレポ市場に現れ、中央銀行が量的緩和をやめられないことが明らかになったことだ。
もしそうだとすれば、中央銀行は資産市場の人質になっており、量的緩和を継続せざるをえないことになる。
そうなら、私たちは、いつか1980-81年以来続いた資産インフレが・・・ハード・アセットのインフレに転換するかもしれないと認識すべきだ。

1980年代初めから始まった米金利の超長期の低下トレンドは様々な資産クラスを押し上げた。
ファーバー氏が「資産インフレ」として例示した資産クラスは、株式、債券、美術品、収集品、不動産だ。
「悪い終わり方」ならば、おそらくこうした資産クラスが下がる、あるいは少なくとも上がらなくなると言いたいのだろう。
同氏が次にインフレが起こる「ハード・アセット」として例示したのは、貴金属、農地、木材である。

ファーバー氏はこれに関連して、財政悪化が引き起こす重要な変化を予想している。

「財政赤字は問題ではないなどとする理論は馬脚を露す。
投資家が行き過ぎと考えれば、これは通貨安につながる。」

ファーバー氏は、いつかはわからないが、資産インフレが終わり、通貨の価値の下落とともにモノのインフレが始まると言いたいのだろう。

また、ファーバー氏は、各国の経済を単純に比較することはできないと話している。
例として、米経済より低成長の日本経済を挙げている。

見た目には米経済は欧州や日本よりも良好に見える。
それを計るのは難しい。
日本では貧困は広がっておらず、ホームレスの問題なども大きくない。
過去20年で経済は大きくは成長しなかったが、社会は比較的豊かだ。
彼らの標準でいえばそこそこの生活をしている。


-海外経済, 国内経済, 投資
-,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 その他利用規約をご覧ください。