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インフレのベース効果と遅延効果:グッゲンハイム
2021年3月19日

グッゲンハイム・パートナーズが、インフレ見通しについて公表している。
同社スコット・マイナード氏の説明と同一のものだが、コンセンサスと異なる見方になっており見直しておく。


今後数年インフレは概して控えめに留まり、FRBは2%物価目標に未達だった累積分を理由に、金融引き締め開始を遅らせることを正当化できるだろう。

グッゲンハイムが自社ウェブサイトで、米インフレは、足元のベース効果による上昇を除けば、中期的にさほど高くまで上昇しないとの見方を示した。
コアCPIの推移などを材料に、基調的なインフレは加速でなく減速していると主張している。

私たちの考えはコンセンサスとは異なるが、
1) 今後数か月の対前年の数字の持つベース効果によるノイズを抜け
2) 2020年の経済収縮の遅延効果がコア・インフレの循環的な品目に現れる
ようになれば、正当性が証明される。

コンセンサスに反する予想にも躊躇しないのがグッゲンハイムらしい。
2)の遅延効果については、遅延効果であるがゆえに、今後ディスインフレ的な圧力が加わっていく。

「コアPCEインフレの最も循環的な品目について景気後退後の弱さは今始まったばかりだ。
歴史的に、コア・インフレがGDP成長より18か月遅れる傾向にあることを考えると、昨年の経済活動の急低下によるコア・インフレへの影響が完全に効いてくるのはまだ数四半期かかる。」

少しややこしいのでまとめておこう。
ベース効果とはその名のとおり、分母にかかわる効果だ。
一方で、遅延効果とは分子にかかわる効果であり、しかも、分子への効きが遅れるという話だ。

  • ベース効果: 1年前の物価が低かったら、足元の物価の対前年比が高くなる。
    これは1年前の反動にすぎず、基調的な物価水準の変化ではない。
    つまり、過剰反応してはいけない。
  • 遅延効果: 1年前の景気後退の影響が18か月後にインフレに押し下げ圧力として効いてくる。
    これは、今後じわじわと影響してくる。

このインフレに対する見方、かつ最近の米国債利回りの環境により、リスクのバランスが、特にイールドカーブの短期側と中ほどについて、債券利回り低下の方に偏っていると考えている。


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