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インフレに負けない財産形成の順序:マーク・モビアス
2021年7月17日

マーク・モビアス氏が、世界中で通貨の価値の低下が進んでいるとして、お金のない人からたくさん持っている人まで財産形成の優先順位を説いている。


いわゆるインフレまたは財・サービスの価格上昇とは通貨の減価に基づくものだ。
・・・すべての通貨は歴史を通して価値を保たなかった。
なぜなら、政府が増発するからだ。

モビアス氏がKITCO Newsで、インフレとデフレについての新著に関連して話をした。
同氏はデフレを必ずしも悪とは見ない。
同様にインフレの困った面を指摘する。
通貨の保有者からすれば、その減価は困りものだ。
それが今、各国の(事実上の)貨幣増発により心配されている。

モビアス氏は、CPIが必ずしも通貨の価値変化を示していないという。
むしろ、不正確で誤解を生みかねないデータだという。
同氏は、貨幣増発ほどにCPIが上昇しない理由について仮説を述べる。

「2つの力が存在している。
1つが貨幣増発による通貨の減価。
そして、テクノロジーが財・サービスの価格上昇と戦っている。・・・
でも、2つのインフレ(に加わる力)をみるなら、通貨の減価の方を見るべきだ。」

CPIがだめなら、通貨の減価はどうすれば測れるのか。
モビアス氏は、最終的にどこまで減価するかの指標はマネーサプライだという。
貨幣数量説的なとらえ方だ。
一方、進行中の減価については、金・銀・不動産などの価格に注意すべきという。

モビアス氏は、CPIを重視するインフレ・ターゲット政策を批判する。
デフレを悪と見ず、インフレを善と見ないのだから当然といえば当然だ。
理想論の域を出ないものの、常識的な思いを語っている。

「私たちはCPIを目標とするのでなく、幸福指数を目標にすべきなんだ。
人々の日々の生活、幸福を感じているか、便利な世の中か、生活は楽か、これを見るべきなんだ。・・・
中央銀行はCPIの数字を見てきて、誤った数字なのに、無数の人々に影響する、地球を揺るがす判断の根拠としている。」

こうしたモビアス氏の思いが政策に反映される可能性は小さい。
しかも、FRBは2%物価目標よりも雇用を優先する姿勢を見せている。
他の中央銀行も、何とか理屈をつけて金融緩和を続けたいというのが本音だろう。
こうした状況は、モビアス氏のインフレへの心配をますます深める。
同氏は、保有金額別に投資家が何をすべきかをアドバイスしている:

  1. 貯えの少ないサラリーマン: まず家を買え。
  2. 余剰のお金があるなら: 良い会社の株を買え。
    良い会社とはROCが高い、借金が少ない会社。
    金は配当を出さないが、株は配当を出す。
    「企業は、通貨の減価にしたがって価格を調整していくため、株式に投資したお金の価値は維持される。」
  3. 次に: 金、パラジウム、プラチナなど貴金属を買え(金が最良)。
    ポートフォリオの5-10%
    金鉱株でなく現物の金を買え。

この先テーパータントラムが起こるか尋ねられると、モビアス氏は、何かしら起こるものの、大きさはペースによると答えている。
まず暗号資産が崩れ、他の市場に波及すると見ているのだという。
暗号資産を最も脆弱と考える理由を語っている。

「暗号資産が価値を保つためにはお金がもっと入ること、投資家がもっと入って暗号資産が上昇すると信じることが必要だ。
株式市場にも同じことがいえるが、暗号資産は特に余剰キャッシュの不足に対して脆弱だ。」

株式市場で脆弱となりうるセクターを尋ねられると、モビアス氏はテクノロジーの一部と答えている。

利益を上げていないテクノロジー企業で、次のAmazonやAppleのようになるという人々の期待で上昇した銘柄だ。
そうした企業でIPOしたのに利益を上げていない銘柄がたくさんあり、それが最初にやられるだろう。


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