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インフレに強い投資先:ウォーレン・バフェット
2023年10月20日

ウォーレン・バフェット氏が昨年語った最善のインフレヘッジ法を以前紹介した。
ここではもう少し投資に役立つ12年前の発言について紹介しよう。


人々は、長寿命の不動産資産のようなもの、農場、あるいはインフレ的成長のために追加的資本を必要としないものを考えている。

バフェット氏が2011年のバークシャー・ハザウェイ株主総会で、インフレに強い投資を尋ねられて話した。

質問は、インフレ的な環境でもシーズやコカコーラのように有形固定資産に対する利益率の高い投資先が最良なのかというものだった。
当時はリーマン危機後のデフレから脱却し、強烈なQEによるインフレが懸念されていた時期だ。
質問者は、鉄道や水力発電のような、価格決定力を持つ取り換え不能なハードアセットとの比較を求めている。
バフェット氏の答は、シーズやコカコーラの方が優れているというものだった。

鉄道や発電が取り立てて悪い選択とは感じられない人もいるだろう。
価格決定力がある、インフレで評価額が増える固定資産を有するなら、決して悪くは感じられない。
実際バフェット氏も、鉄道についてはポジティブなスタンスを滲ましている。
しかし、概して資本集約的な事業には魅力を感じないという。

ポイントは「インフレ的成長」と「追加投資」にあるようだ。
数量はあまり伸びないが、価格が上昇し、売上金額が上昇する「インフレ的成長」が起こった時、追加投資が必要なのか。
資本集約的な事業では(数量が伸びる場合ほどではなくとも)やはり追加投資が必要なのだろう。
一方、資本集約的でない事業ならほとんど追加投資はいらない。
数量があまり伸びないのに、追加投資を迫られるのはつらいことだ。

バフェット氏は最悪のケースを説明している。

最悪の類の事業は、莫大な売掛金や在庫等を持つ事業だ。
数量が横ばいで、価格が倍になれば、同じ数量を扱うのに2倍のお金が必要になる。

バフェット氏は、シーズがほとんど売掛金を持たず、在庫も回転率が高く、固定資産も大きくないと紹介した。

そして、この話は昨年のインフレ・ヘッジ法に通じる話に返ってくる。

最終的な試金石は、あなた自身の稼ぐ能力だ。
あなたが卓越した医師、法律家、どんな職業、教師であれば、インフレになれば、あなたの仕事はもっともっと多くの金額を要求できる。
しかも、自分に追加投資する必要もない。


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