市場の雲行きがやや怪しくなる中、週明けも元気に市場と向き合うために、《永遠のブル》ジェレミー・シーゲル教授のご神託を伺っておこう。
市場は間違いなく(金利上昇の)圧力を受けているが、強い経済が第4四半期と2024年の利益に寄与するだろうから、私は2024年に向けてとても強気だ。
シーゲル教授がウォートン・ビジネス・ラジオで強気予想を語った。
最近の金利上昇がテック株などデュレーションの長い株式の一部に圧力を与えていると認める一方で、シーゲル教授は企業収益がほとんどの会社で予想どおりか上回っており、深刻な状況ではないと一蹴した。
懸念材料の金利上昇についても、上昇余地は大きくないと見ているようだ。
「(長期金利が)5.25%を超えるなら大きな驚きだ。・・・
みんなこぞって債券ショートに乗っかっているが、もしも何か弱いデータが出れば、大きな反動が起こるだろう。
みんな強いデータが続くと予想しているから。」
シーゲル教授が5.25%を区切りに出したのは、現状のFF金利(下限)を意識したものだろう。
この金利を超えてくれば、イールドカーブの長短逆転が解消する確率が高まる。
言うまでもなく、逆転解消は不吉な前兆になる。
シーゲル教授は恒例のバリュエーション解説を披露する。
「現在10年の物価連動債は2.5%で株のPERは17-18倍、(益回り)5.5-6.0%だ。
3.0-3.5%の(株式リスク)プレミアムだ。
これは長い歴史とよく合っており、これまでの過去よりはるかに低い。」
長い歴史との比較においては平均的、最近の過去と比べると株は割高という解釈になろう。
長期投資を基本と考えるシーゲル教授からすれば、前者が重要なのだろう。
つまり、株式と債券の(長期的)相対的比較において、現株価は割高ではないという主張だ。
シーゲル教授はまた、インフレの到来・将来のインフレ懸念により、債券がヘッジ機能を失った点も強調している。
私はまだ株式が債券より優位と考えている。
インフレが将来の心配事なら、株式は不動産とならんで投資すべき資産だ。